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冬じゅう恋する玄関。クリスマス以降も瑞々しさ続く針葉樹の“根つきリース”の作り方

冬じゅう恋する玄関。クリスマス以降も瑞々しさ続く針葉樹の“根つきリース”の作り方

針葉樹の“根つきリース”

玄関のドアを開けるたびに、ふわっと針葉樹の香りが迎えてくれる——そんな「冬じゅう恋する玄関」を叶えてくれるのが、ヒムロスギなどのポット苗を使った根つきの“生きたクリスマスリース”。苗のまま仕立てるから、クリスマスを過ぎても葉がパリパリにならず、春まで瑞々しいグリーンを楽しめます。根つきクリスマスリースを考案したガーデンデザイナーの武島由美子さんに作り方を教わります。庭がなくても、ベランダや玄関先に飾るだけで、ときめきあふれる冬の物語が始まります。

ロイヤルブルーに染まる玄関先、主役はまあるい“生きたクリスマスリース”

12月の庭

12月、武島由美子さんの家の玄関先は、小さな森の入り口のよう。レンガの門柱の前に置かれた針葉樹の寄せ植えには、ロイヤルブルーのリボンが風に揺れ、同じトーンのパンジーが門柱の上で咲きこぼれます。アーチには長くしなやかな針葉樹のガーランドが飾られ、コニファーの爽やかな香りが冷たい冬の空気にやわらかく混じって、「ようこそ」とささやきかけてくるよう。

根付きの針葉樹の苗を寄せ植えたリース

そんな玄関先で一際目を引くのが、大きなクリスマスリース。一見すると切り枝のリースのようですが、じつはすべて根付きの針葉樹の苗を寄せ植えたリースです。針葉樹のシルバーグリーンが幾重にも重なった丸いシルエットは、まるで小さな森をぎゅっと輪に閉じ込めたよう。ブルーのリボンと実ものを控えめに飾っただけなのに、そこに流れる空気まで澄んで見えるのは、葉の一枚一枚が生きて、ゆっくり呼吸しているから。ドアチャイムを押す前から、もうこの家の冬の物語に招き入れられたような気持ちになる——そんな“生きたクリスマスリース”の秘密と作り方を、ここからひとつずつ紐解いていきましょう。

ヒムロスギの小さなポットとの出会いが生んだ、“根つきリース”というひらめき

ヒムロスギの3号ポット苗
愛知県の生産者「近藤園芸」さんが作っているヒムロスギの3号ポット苗。ラベルもかわいらしい。

クリスマスリースでお馴染みのヒムロスギといえば、普通は切り枝で扱う素材です。ところが今年、武島さんは花市場で3号ポットの「小さなヒムロスギの苗」を発見。それを見た瞬間、“根つきのクリスマスリース”のアイデアがパッと浮かびました。

「これまでにも針葉樹の小さなポットは流通していましたが、リースに定番のヒムロスギはなかったんです。ヒムロスギは他の針葉樹と比べ、細かい葉がふわふわとしていてボリュームがあり、針葉樹の中でもリースの土台として重要な役目を果たします。そのポット苗があるなら、今までにない“生きたクリスマスリース”が作れる! と胸が高鳴りました」

「まだ誰もやっていない形」「ありそうでなかったもの」をいつも探している武島さんにとって、ヒムロスギの小さなポットとの出会いは、まさに運命のような瞬間でした。

根つきだからこその、うれしいメリット

根つきのクリスマスリーズ

こうして考案された“根つきクリスマスリース”には、これまでの切り枝のリースにはない良さがたくさんあります。

  • クリスマス以降もパリパリにならず、春まで瑞々しさが続く
    切り枝のリースは12月初旬に作ると、クリスマス頃には乾いて葉がポロポロ落ちてきてしまうことがありますが、根つきリースは年を越して春を迎えても瑞々しさが続きます。
  • 針葉樹の香りが長く楽しめる
    枝ではなく「苗」として生きているので、玄関を出入りするたびに、森林浴をしているような爽やかな香りがふわり。
  • 飾りつけ次第でお正月仕様に
    リースの「丸」はもともと “縁起物(円満・一陽来復)”のカタチなので、飾りを紅白や金色に変えるだけで、一気にお正月の玄関飾りとしても活躍します。
  • 春になったらばらして養生し、翌シーズンも使える
    リースを崩して一株ずつ鉢に植え替え、涼しい場所で夏越しさせれば、次の冬にもまた主役として活躍してくれます。
  • 捨てずに育てていく、少し誇らしいサステナブルガーデン
    一度きりで終わる装飾ではなく、年ごとに表情を変えながら寄り添ってくれる相棒のような存在に。

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