
花粉症シーズンも本番が到来。くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどの花粉症の症状はつらいものですが、薬で抑えようとすると眠気やだるさなどに襲われることも。できるだけ薬には頼らずに、日々の食事で花粉症を予防できれば理想的ですよね。慶友銀座クリニック院長の大場俊彦先生は、花粉症対策として「オイルヨーグルト」を毎日食べているのだとか。新たな習慣として注目の「オイルヨーグルト」をご紹介!
腸内環境を改善して免疫バランスを整える「プロバイオティクス」

花粉症対策にいいことがわかってきたふたつの食品が注目されています。そのひとつめは、花粉症の根本原因となる免疫バランスの崩れにアプローチする食品です。
花粉症とは花粉に対する過剰な免疫反応によって起こるものですが、この過剰な免疫反応は免疫バランスの崩れによって生じています。免疫バランスとは、体内に存在する2種類の免疫のしくみがバランスよく働くこと。ひとつは細胞そのものが異物を攻撃する「細胞性免疫」、もうひとつは体液中に溶けている抗体が異物を攻撃する「体液性免疫」で、両者はどちらか一方が過剰に働かないようにお互いを抑制し合い、バランスをとっています。これが免疫バランスであり、両者のバランスが保たれていればアレルギー反応は起こりません。
ところが現代人は、細胞性免疫の働きが弱くなりやすく、体液性免疫の働きが過剰になりやすい生活環境に置かれています。そのため免疫バランスが崩れ、アレルギーが起こりやすくなっているのです。
そこで、近年注目されているのが「プロバイオティクス」です。
プロバイオティクスとは、十分な量を摂取すると体に有益な効果を与える生きた微生物の総称で、腸内環境を改善することが知られています。腸内環境の改善というと、便秘やダイエットなどのメリットが思い浮かびますが、実はそれだけではありません。体内の免疫細胞の約7~8割が腸に存在しているため、腸内環境を改善することが免疫バランスを整えることにもつながるのです。近年の研究では、プロバイオティクスがアレルギー症状を改善する可能性があることもわかってきています。
プロバイオティクスは、ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌やビフィズス菌などが代表格。こうしたプロバイオティクスを多く含む食品を習慣的にとると、免疫バランスが整い、花粉症予防の助けとなるのです。
炎症物質を抑えてアレルギー症状を軽減する「オメガ3脂肪酸」

花粉症にいいとされる食品のふたつめは、かゆみなどのもととなる炎症物質を抑える食品です。
くしゃみやかゆみなどのアレルギー症状は、体内に侵入した花粉などの異物に反応して炎症物質が放出されるために起こるもの。そのため、炎症物質を抑制する食品も積極的にとることができれば、さらなる花粉症対策につながります。
そこでおすすめなのが、「オメガ3脂肪酸」を多く含む食品です。
オメガ3脂肪酸は必須脂肪酸と呼ばれる成分で、体内では生成されないため食品から摂取しなければならない脂肪酸。アマニ油やエゴマ油などの植物油や、まぐろやいわしなどの青魚、ナッツ類などに多く含まれています。
オメガ3脂肪酸といえば血液をサラサラにする働きや、動脈硬化などの心血管疾患を予防する働きなどがよく知られていますが、最新の研究では花粉症による鼻アレルギーや目のかゆみの原因となる炎症物質の産生を抑制することが報告されています。
花粉症の原因である免疫バランスの崩れを防ぐプロバイオティクスと、花粉に反応すると放出される炎症物質を抑えるオメガ3脂肪酸。このふたつの成分を含む食品を毎日しっかりとれば、花粉に強い体作りができるわけです。

