
日本では古くから、魔除けや家内安全、金運上昇などの願いを込めて、「縁起のよい木」が植えられてきました。特に一年中みずみずしい姿を保つ常緑樹は、庭のシンボルにも最適。寿命が長い樹木なら、一度植えればずっと庭を彩ってくれますよ。今回は、家庭の庭づくりに取り入れやすい常緑の縁起木7種を、特徴・育て方のポイント・縁起の意味とともに分かりやすく解説。“運気のよい庭”をつくりたい方は、ぜひ樹種選びの参考にしてください。
一生ものの庭木で運気を向上! 「縁起木」とは

「縁起木」とは、古くから縁起がよいとされ、魔除けや邪気払いをはじめ、金運アップや幸運を運んできてくれるなどと信じられてきた木を表す俗称のこと。日本には「縁起を担ぐ」という言葉もありますが、植物も「縁起を担ぐ」ために幅広く利用されてきました。「縁起がよい」とされる理由は、神話や伝説にまつわるものや、語呂合わせで縁起を担いでいるもの、姿や性質に由来するものなどさまざまです。また、日本だけでなく、海外でも同様に縁起がよいと考えられている樹種などもあります。
今回は、日本で縁起がよいとされる木の中から、庭木にもおすすめの常緑の樹種を7種ご紹介します。
1. 難を転じて福となす! ナンテン(南天)

植物名:ナンテン
学名:Nandina domestica
英名:nandina、heavenly bamboo、sacred bamboo
和名:ナンテン(南天)
その他の名前:ナンテンショク(南天燭)、ナツテン、ナルテンなど
科名:メギ科
属名:ナンテン属
原産地:日本、中国、東南アジア
形態:常緑性低木
開花時期:6〜7月
樹高:2〜3m
耐寒性:普通
耐暑性:普通
花色:白

秋には葉が赤く色づき、晩秋には真っ赤な実をつけて、お正月の飾りにも欠かせないナンテン。名前が「難を転ずる」に通じることから、古くから縁起のよい庭木として愛されてきました。「植えると幸せになる」「茂ると家が栄える」「実がたくさん実ると豊かになる」など、ナンテンにはたくさんの言い伝えがあります。またのど飴でもおなじみですね。防腐の目的でナンテンの葉をお弁当などに添えることもありますが、ナンテンの実や葉には微量ながら有毒成分が含まれるため、口にはしないように注意しましょう。
ナンテンは特に玄関脇など門まわりに植える庭木として人気があります。半日陰を好むため、日当たりが悪い庭の彩りとしてもおすすめ。ただし、日当たりが悪すぎると実付きが悪くなることがあります。土質を選ばずよく育ち、地植えであれば植えっぱなしでほとんど手をかけなくても育ってくれます。強い西日の差す場所は避けましょう。
- 縁起の意味:厄除け・魔除け
- 植える場所:玄関先/門まわり/鬼門/半日陰
- 庭木に向く理由:
- 日向〜半日陰でよく育ち、環境適応力が高い
- 放任でも形がまとまりやすい
- 秋は紅葉、冬は赤い実が美しく、観賞価値も高い
