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「祝日の日数が多い」日本人と、「有休全消化」のドイツ人…GDP逆転に見る、両者の“決定的な差”

「祝日の日数が多い」日本人と、「有休全消化」のドイツ人…GDP逆転に見る、両者の“決定的な差”

ほとんどのスーパーは日曜日が定休日

ところで、ドイツでは日曜日、レストランやファストフードなど食産業は営業していますが、スーパーマーケットやデパートなどのお店は閉まっています。ではドイツ人は「日曜日にスーパーマーケットやデパートが閉まっていること」についてどう感じているのでしょうか。

カトリンさんは、「日曜日にお店が閉まっているのは、不便だとは思う。ただ総合的に考えると、日曜日にお店が閉まっているって悪いことばかりではないと思うの。まず(デパートやスーパーマーケットの)従業員にとっては、やっぱり『日曜日に自分たちが働くお店が閉まっていること』は、すなわち『ほかの業種で働いている家族や友達と休みの日が一緒』だということ。一緒に過ごせるのは人間関係を考えると大事なことだと思うわ。それに、人間には『静』の時間が必要だと思うの。日曜日にお店が閉まっていることでドイツでは定期的に毎週『静』の日が訪れるわけで、心身の健康のためにはそういう立ち止まる時間も大事なんじゃないかな」とのことでした。

もとをたどればドイツで日曜日にお店が閉まっているのは、キリスト教の教えに基づいたものです。バイエルン州の祝日を見てみても、10月3日のドイツ統一記念日以外の祝日はすべてキリスト教関連の祝日ですし、なんだかんだいって、ドイツはキリスト教の影響が強い国なのです。

どの国にもいろいろな考え方の人がいるので一概には言えないものの、ショッピングのような「消費」に幸せを感じるという人はドイツにはあまり多くなく、どちらかというと「自然の中で体を動かしたり、登山をしたりといったことに幸せを感じる人」が多い印象です。「自分がどんなときに幸せを感じるか」について自己分析ができれば、そういった時間を増やす工夫もできます。したがって、「自分を知ること」が一番の幸せへの近道かもしれません。

サンドラ・ヘフェリン

コラムニスト

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