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屋根の雪止めとは?必要性や種類、後付け費用を解説!【選び方チャート付き】

屋根の雪止めとは?必要性や種類、後付け費用を解説!【選び方チャート付き】

3.雪止めの後付け工事は可能?費用相場と工期

「新築の時に付けていなかったけれど、やっぱり付けたい」そう思った時、後からでも雪止めは設置できるのでしょうか?

3-1.雪止めは基本的に後付け可能

ほとんどの屋根材において、雪止めの後付けは可能です。

現在普及している一般的なスレート屋根であれば、既存の屋根材の隙間に金具を差し込んで固定する方法がありますし、日本瓦や洋瓦などの瓦屋根であれば、既存の瓦の一部を雪止め瓦に差し替えるといった方法で対応できます。
ただし、屋根材自体が著しく劣化している場合は、雪止め金具を固定する強度が確保できないため、雪止めをつける前に屋根の補修や葺き替えが必要になることがあります

【注意】雪止めの設置が難しい屋根も

「アスファルトシングル」と呼ばれる屋根材は注意が必要です。アスファルトシングルは屋根材同士が接着剤で貼り付けられているため、後から雪止め金具を差し込む隙間がありません。
このような場合は、屋根材に差し込むのではなく、軒先に設置する「ネット(フェンス)タイプ」であれば設置できる可能性があります。

3-2.後付け雪止めの費用相場

雪止めを後付けする場合の費用は、15万円~40万円程度が相場です。「雪止めの種類」と「足場の有無」によって費用は大きく変わります。

雪止めの種類 工事総額の目安 内訳 備考
一般的な金具タイプ 15万円〜25万円

雪止め工事費 5〜10万円

足場代 10〜15万円

スレート・金属屋根用などに設置するタイプ
アングル・ネットタイプ※ 20万円〜40万円

雪止め工事費 10〜25万円

足場代 10〜15万円

金具タイプより雪止め効果が高い

※ ネットタイプは製品自体が高価なため、設置する範囲によってはさらに費用がかかる場合があります。

雪止めの設置に補助金は使える?

雪止めの設置そのものに対する国の補助金制度は基本的にありません

しかし、豪雪地帯の自治体などでは、「克雪対策」や「住宅リフォーム助成」の一環として、雪止め設置や融雪設備の導入に対して補助金が出る場合があります。まずはお住まいの地域の役所窓口やWebサイトで確認してみることをおすすめします。

3-3.費用を抑えるためのポイント

見積もりを見て高いと感じる原因の多くは、実は足場代によるものです。上記の相場を見てお分かりの通り、費用の半分近くを足場代が占めています
「金具をつけるだけなのに足場が必要なの?」と思われるかもしれませんが、屋根の勾配(傾き)がきつい場合や、2階以上の屋根で作業をする場合、職人の安全確保と確実な施工のために足場は必須です。

費用を抑える最も賢い方法は、足場を必要とする他の工事とセットで行うことです。

足場を必要とする工事の例

屋根塗装・外壁塗装

雨樋の交換・修理

太陽光パネルの設置

これらの工事を行うタイミングに合わせて雪止め設置も依頼すれば、足場代を一度分にまとめることができ、実質的に数万円〜十数万円の節約になります。
そろそろメンテナンスの時期かな?と思ったら、雪止めの設置を合わせて検討するのがベストです。

3-4.DIYで費用は抑えられる?

ホームセンターやネット通販では雪止め金具が販売されていますが、DIYでの設置は推奨できません

  • 転落事故のリスク
    慣れていない人が屋根に上がるのは極めて危険です。雪止めが必要な屋根は滑りやすく、命に関わる事故につながります。
  • 雨漏りの原因になる
    取り付け方を間違えると、屋根材を破損させたり、隙間から雨水が侵入して雨漏りの原因になったりします。
  • 施工不良
    固定が不十分だと、雪の重みに耐えきれず、雪止めごと落下してくる危険があります。
  • プロに依頼するメリットは単に安全なだけではありません。屋根に上がったついでに、普段自分では見えない「瓦の割れ」や「板金の浮き」などの劣化箇所を点検してもらえます。
    また、屋根の強度や勾配に合わせて、最適な雪止めの種類と必要な数を計算してくれるため、安心感が違います。万が一の施工不良があった場合のアフターフォローが期待できるのも大きなポイントです。

    4.【チャート式】屋根雪止めの種類と選び方

    雪止めには様々な種類がありますが、「どれを選べばいいかわからない」という方も多いと思います。
    リフォームの際には、次のフローチャートを参考に、ご自宅に最適な雪止めを選択してください。

    雪止め選びの判断チャート

    4-1.雪止めの種類と素材・選び方一覧

    雪止めを選ぶ際に検討すべき「形状(種類)」と、それぞれの「素材の選び方」を表にまとめました。

    名称 特徴 設置方法 素材による違い
    雪止め金具
    【効果:△】
    最も一般的な雪止め
    「点」で雪を止める
    種類が豊富(L字型・扇型・羽根付きなど)
    ※羽根付きが最も強力
    屋根材の隙間に差し込み固定
  • ステンレス製
    非常に錆びにくく高強度
  • アルミ製
    軽量で錆びにくいが、強度はステンレスにやや劣る
  • 亜鉛メッキ製
    安価だが、経年劣化でメッキが剥がれると錆びる
  • 雪止めアングル
    【効果:〇】
    「線」で止めるため金具より強力
    雪が隙間から落ちるのを防ぐ
    軒先に平行に長い金属バー
    (L型断面)を取付
    雪の重量を受け止める強度が必要なため、
    耐久性の高いステンレス製を選ぶのが最も安心
    雪止めネット
    【効果:◎】
    落雪防止効果は最強クラス
    つららの落下防止にもなる
    軒先付近に高さのある
    金網やフェンスを設置
    高耐久なステンレス製やアルミ製で
    作られているものが多い
    雪止め瓦
    【効果:△】
    屋根と一体化するため目立たない 突起がついた瓦
    既存の瓦と差し替え
    素材は屋根瓦と同じ
    金属製のような錆びの心配がなく、耐久性が高い
    屋根の「もらい錆び」に注意

    安価だからといって鉄製(亜鉛メッキ等)の雪止めを選び、それが経年劣化で錆びると、その錆が雨水で流れ出して屋根材に付着します。
    美観の問題だけではなく、金属屋根の場合には屋根自体を錆びさせてしまう「もらい錆び」が発生することがあります。

    屋根を長持ちさせるためにも、多少コストがかかってもステンレス製やアルミ製などの錆びにくい素材を選ぶことを強くおすすめします

    4-2.風や雪の重みに対する強度

    プロが正規の方法で施工していれば、雪止めが風で飛ぶことはまずありませんが、フェンスタイプのものは風を受けて曲がったりズレたりする可能性があります。
    また、想定外の大雪が降った際に雪止めが雪の凄まじい重みで曲がってしまうこともあり得ます。

    大雪が降った年や台風が過ぎ去った後は、下から双眼鏡などで屋根を見て、金具が曲がったり外れかけたりしていないかチェックすることをおすすめします。

    雪止め修理に火災保険は使える?

    加入されている火災保険の契約内容にもよりますが、一般的に「風災・雪災補償」が含まれていれば、自然災害で被害に遭った箇所の復旧に保険が使えます
    豪雪時に積もった雪の重みで曲がってしまったり、強風で損傷を受けたという場合には、保険金で修理・交換できる可能性があります。

    火災保険でリフォームはできる?適用条件やよくあるトラブルを詳しく解説

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