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【江本孟紀】球場のお客さんは「プロ野球」を観に来ていない?「野球以外のイベント」に熱心な球団関係者を残念に思う

【江本孟紀】球場のお客さんは「プロ野球」を観に来ていない?「野球以外のイベント」に熱心な球団関係者を残念に思う

東京ドームのスタンドを見て考えたことがある。

「このなかで本気で野球だけを観に来ている人は、どれほどいるんだろうか?」

 私はラジオの解説で巨人の試合をちょくちょく見ていたが、スタンドにいるお客さんは、「巨人を応援する」というより、「東京ドームで開催されている『巨人戦』という名のイベントを楽しんでいる」気がしてならなかった。

※本記事は、江本孟紀著『長嶋亡きあとの巨人軍』より適宜抜粋したものです。

ハマスタ リレー
横浜スタジアムで行われている「リレー対決」 ©産経新聞

◆「野球イベントを楽しんでいる」今のファンたち

 今の時代、各球場で試合前からさまざまなイベントが催されている。いざ試合がはじまったあともそうだ。イニングとイニングの合間で、クイズや女性チアリーダーのダンスなどが行われ、これは試合終了後まで続いていく。

 球団フロントの人たちが、どうにか球場に来たお客さんに楽しんでもらおうと躍起になり、あれやこれやと必死に企画を考える姿が容易に想像できる。「たくさんイベントをやれば球場が盛り上がる」と考えているのだろう。

 だが、あいにく野球の本質からはかけ離れた発想だ。球場に来てもらっているのだから、お客さんには「プレーそのものを楽しんでもらおう」と考えるが普通だろう。そうではなく、イベントを優先する姿勢を残念に思う。

◆「野球以外のイベント」に熱心な球団関係者

 プロである以上、本来は一流の選手が素晴らしいプレーを見せてくれればいいはずだ。ところが、今の12球団は、試合の前後や合間のイベントに注力しすぎている。野球以外の部分でお客さんを楽しませようとする意識が強すぎる。昔から野球の本質を知っている人たちからすると、興ざめすることもあるはずだ。
 
 試合前後と試合中には、必ずホームチームを応援する女性チアリーダーが現れ、華やかなダンスを披露する。また、売り子もルックスのいい女性を揃えている。男性、とくにオヤジ世代のお客さんに対して、どうにかして単価の高いアルコール類を買ってもらおうと、手を変え品を変え、売り上げを伸ばそうとしている。

 反面、NPB(日本野球機構)は、「試合時間の短縮」を唱え、12球団に至上命題を突き付けたかのような形だ。私からすると、「その解決策は簡単ですよ」と断言できる。

 なぜなのか。その答えは、「5年前のことを思い出せばいい」だけだからだ。


配信元: 日刊SPA!

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