
◆規制強化の一方で増加が懸念される「闇民泊」
すっかり一般的になった民泊ですが、2026年以降さらなる規制強化が予定されており、営業日数が現在の180日から更に短くなる自治体も出てくるとか。規制強化の一方で、許可を得ずに民泊を行う「闇民泊」は増えてしまうかもしれません。闇民泊が横行しても、その立ち退きはハードルが高いのが実情です。通達をしても彼らも商売ですから、簡単には出ていってくれません。仮に立ち退きの裁判を起こしたとしても、時間も手間もかかる割に、実際に闇民泊を止められない可能性も残ります。
◆合法的に闇民泊を追い出すステップ
闇民泊を追い出すには……。時間はかかりますが、いくつかのステップがあります。マンションの区分所有法の第6条では、区分所有者全体の「共同の利益」に反する行為が禁止されています。そこで、民泊が共同の利益に反するとして区分所有法第57条で「行為の停止」を求めます。迷惑行為をする区分所有者に対して、「やめて下さい」と正式に要求するものです。この「行為の禁止」は管理組合の理事会決議可決で要求できます。この「行為の停止」で止められない場合には、専有部の利用を禁止する「使用の禁止」を請求できます。管理組合の総会で特別決議の区分所有者数の4分の3以上かつ、議決権の4分の3以上の賛成で、この「使用の禁止」を請求する訴訟を行うことができます。
この「使用の禁止」でも止められない場合には、次に迷惑行為を行う区分所有者の建物・土地の権利を強制的に競売する「競売の請求」ができます。こちらの「競売の請求」の場合にも、「使用の禁止」と同様に特別決議の賛成が必要です。
この「行為の停止」「使用の禁止」「競売の請求」のステップを踏まないことには、迷惑な住民が居ても追い出すことはできません。競売にかける際には予納金といって裁判所に納める費用も必要となり、稼働的にも金銭的にも負担が大きくなります。

