◆長期間の停電に備えるなら…

長期間の停電に備えて、万全を期すなら太陽光と蓄電池を導入するのが理想だという。
「太陽光パネルを設置できる屋根の広さや蓄電池の容量によって費用は変動しますが、太陽光発電システムが60万〜150万円、家庭用蓄電池が130万〜200万円、合計で190万~350万円前後になるのが一般的な相場です。
太陽光と蓄電池の導入に合わせて、“電気+ガス”から“オール電化”に切り換える場合の工事代などは、プラス80万円が目安となります」
また、太陽光や蓄電池も白物家電のようにメーカーによって特徴や価格などが異なるとも。
「たとえば、パナソニックや京セラといった太陽光と蓄電池で有名なメーカーは少し割高ですが、そのぶん性能や保証がしっかりしている。メーカーごとに一長一短があるので、施工会社に聞きながら自宅に合うものを選ぶと安心です」
◆EV(電気自動車)も災害の備えになる
車の買い替えを検討しているなら、EV(電気自動車)を選ぶのも有効だ。「“走る蓄電池”とも呼ばれるEVの活用が注目されています。充電設備の種類次第では車に蓄えた電気を家庭に供給できるので、予備の蓄電池として期待できる。自治体によっては防災目的で蓄電池導入に補助金を出すケースも増えていて、災害対策と日常生活の利便性を兼ね備えた設備として検討する価値があります」
とはいえ、いずれも導入に数百万円の費用がかかるのはネック。ほかに実践可能な備えは?
「太陽光+蓄電池が理想ですが、費用を抑えたいならポータブル電源を常備し、モバイルバッテリーを複数用意しておくといいですよ。ポータブル電源やモバイルバッテリーはいろいろなものがありますが、汎用性の高いものがいざというときに使いやすいと思います。
ほかにLEDランタンや乾電池式ライト、ガスコンロも備蓄しておくと役立ちます。特にオール電化の場合は、停電すると料理もできなくなりますから。あとは保冷剤を冷凍庫に入れておくと、停電時に冷蔵庫の保冷に利用できます」

