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【図解】臥床(がしょう)・離床とは?臥位の種類や介助のポイントを解説

【図解】臥床(がしょう)・離床とは?臥位の種類や介助のポイントを解説

3. 臥床者への介助のポイント

体位変換

体位変換は、介助者と利用者双方にとって負担の大きい介助です。小さな力で安全におこなえるよう工夫が必要です。

介助者は重心を低くして、できる限り利用者の体に近づくことで、安定した体勢を保ちやすくなります。さらに、利用者とベッドが接する面積を減らすと摩擦が軽減され、よりスムーズに体を動かせます。

また、利用者に可能な範囲で協力を促すことも重要です。本人の力を借りることで両者の負担が軽減されるほか、利用者の残存機能の維持につながります。

清拭介助

清拭介助は、入浴が難しい利用者の体を蒸しタオルなどで拭き、清潔を保つケアです。清拭ケアの際は室温に注意し、利用者のプライバシーに配慮しながら手早く丁寧におこないます。

とくに、膝の裏や肘の内側などの関節部分や、しわができやすい首やお腹などは、汚れがたまりやすいため、念入りにおこなってください。

また、清拭は利用者と一対一でコミュニケーションがとれる貴重な機会です。不安な気持ちに寄り添い、耳を傾けるように努めます。同時に、発疹や褥瘡などを見逃さないよう皮膚の状態を観察することも重要です。

排泄介助

臥床状態の利用者への排泄介助では、お尻の下に差し込む差込便器を使った排泄のサポートや、おむつ交換をおこないます。ベッドの角度を調整することで腹圧がかかりやすくなり、排泄がスムーズになります。

また、利用者が排泄介助を受ける恥ずかしさから、食事や水分の摂取を控えてしまうことがあります。介助する際は、利用者の自尊心やプライバシーに配慮し、手際よくおこなうことが求められます。

4. 長期臥床のリスクと早期離床の重要性

長期臥床によるリスク

長期的な臥床は、身体的・精神的にさまざまなリスクをもたらします。

筋力低下や関節拘縮

筋力の低下や関節拘縮、骨密度低下など、身体のさまざまな機能を低下させる可能性があります。

循環器系の機能低下

血液の循環を悪化させ、深部静脈血栓症や肺塞栓症などの合併症、起立性低血圧のリスクが高まります。

呼吸器系の合併症

臥床状態が続くと、肺の換気が不十分になり、肺炎や無気肺などの呼吸器系の合併症を起こす可能性があります。とくに高齢者の場合は、誤嚥性肺炎に注意が必要です。

消化器系・泌尿器系への影響

便秘や尿路結石、尿路感染症などの消化器系・泌尿器系の問題を引き起こす可能性があります。

褥瘡の発生

長時間同じ姿勢で圧迫を受けることで、床ずれが発生しやすくなります。

精神面への影響

体の活動量が低下することで社会的孤立状態となり、意欲の低下や、知的機能の減衰、抑うつなどの精神的な問題を引き起こす可能性があります。

また、時間感覚や場所の認識などの感覚機能が低下すると、幻覚や妄想が出現しやすいとされています。

早期離床の重要性

適切な離床介助をおこなうことによって、長期臥床によるリスクの軽減・予防につながります。身体的・精神的な健康状態の改善や、日常生活動作(ADL)の向上、社会的な交流の促進など、離床介助は生活の質(QOL)を高めるうえで非常に重要です。

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