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“築20年2LDK庭・駐車場付き”で〈家賃収入1万円〉…物件価値を左右する「投資エリア」の立地環境

“築20年2LDK庭・駐車場付き”で〈家賃収入1万円〉…物件価値を左右する「投資エリア」の立地環境

不動産投資を初めて行う際には、事前の準備が重要になります。資金面の用意はもちろん、投資エリアの土地勘、物件の相場観なども事前に把握しておきたいところです。高利回り物件は誰もが希望するところですが、当然ながらリスクが伴います。まずは長期的な安全性と収益性が期待できる物件を探すことから始めましょう。本記事では、宮崎俊樹氏の著書『空き家は使える!戸建て賃貸テッパン投資法 2ndエディション』(技術評論社)より、不動産投資を始めるための準備内容について紹介します。

戸建て投資の「軍資金」はズバリいくら?

多くの方が気になる、戸建て投資をする際の「自己資金」の話をしたいと思います。不動産投資のための軍資金は人によって異なります。少なくて済む人もいれば、想像以上に現金が必要になる人もいるでしょう。

軍資金が少なくて済む人というのは自分の力でリフォームができる人です。リフォームや内装関係の仕事に就いている人やDIYがそれなりにできる人が該当します。このような人が自己資金が少なくてもいいのは、俗にいうボロ戸建て投資(※1)で利益を出せるからです。
 

※1 ボロ戸建て投資

築年数が古く、劣化や損傷が目立つ戸建て物件(いわゆる「ボロ物件」)を低価格で購入し、リフォームやリノベーションによって再生させ、賃貸や転売を通じて利益を得ること。少ない資金で始めやすいメリットがある。また、リフォームの程度によっては物件価値が大幅に上がり、高い利回りを得られる可能性もある。ただし、物件の状態によっては修繕コストが予想以上にかかるリスクがあり、購入前の調査が重要となる。


不動産投資系インフルエンサー・エリックさんが実践しているのがまさにこの手法です。物件を「5万円」などとんでもない額で購入し、それをリフォームして貸し出しています。このような手法が成立するのはエリックさんにリフォームの心得があるからです。

もし5万円のボロ戸建てを業者発注でリフォームしようと思えば、軽く400〜500万円は飛んでしまうでしょう。それだったら普通に売られている物件を買ったほうが割安ということになってしまいます。ですので、リフォームを自分でできるという条件ありきになります。

ちなみにエリックさんは、じつはそこまでDIYは得意ではないそうです。じゃあ何で成立するのかというと、彼の周囲には投資家仲間がうんといるのが理由になります。エリックさんのまわりにはDIYに覚えのある投資家仲間が大勢いて、彼らの力も借りることでボロ戸建て投資ができているというカラクリです。

もう1ついうと、これから不動産投資をやろうという人のところに5万円の物件の話なんて絶対に回ってきません。業者も5万円の物件を売ったところでほとんど利益はないですし、そのような物件を素人に回すのはトラブルのもとですから紹介してくれることはまずありません。ですので軍資金が少なくても始められる人というのはかなり限定されてしまいます。

では逆に軍資金がたくさん必要になるのはどんな人かというと、それは融資が引きにくい人です。たとえばサラリーマンで安定的な給与所得がある人は個人の与信を担保にして融資を引くことができます。安定感抜群の公務員や東証プライム上場会社の社員などは当然、融資が出やすいです。

融資が出にくいのは“不安定”と思われてしまう人になります。たとえば派遣社員やパートタイマー、そして個人事業主や会社経営者なども不安定な職種と考えられてしまいます。融資が出にくい人は物件購入費からリフォーム費用まですべて自分で賄わなければいけません。そのため、自己資金が膨らみます。ロットの小さな戸建て投資であっても初期費用からリフォームまでトータルで考えれば500〜600万円はないと厳しいと思います。

先ほどの“安定”な公務員やサラリーマンなら与信を担保に融資を引けるのでそこまでの自己資金は必要ありません。ただし、ある程度のキャッシュを持っていなければ金融機関は融資をしてくれません。戸建て物件に融資を引くなら少なくとも300万円は必要だと思います。

お金がなければ「不動産投資の事業」は続けられない 

筆者は、自己資金を十分用意してから戸建て投資を始めるべきだと思います。不動産投資は事業(※2)です。事業をやっていれば必ず不測の事態が発生します。
 

※2 不動産投資は事業

不動産投資を単なる資産運用の一環ではなく、経営的視点を持った事業活動ととらえる考え方。不動産投資は、物件の選定、資金調達、賃貸管理、修繕計画、税務対策など幅広い業務が必要で、これらを適切に管理することで安定した収益を得られる。そのため、「事業」として認識し、長期的な視野に立って運営する姿勢が重要となる。


それはとくにリフォームまわりで顕著で、中古物件では予期せぬ不具合、予期せぬ問題に必ずといっていいほど出くわします。先日、筆者が指導している投資家から、「購入物件の浄化槽にヒビが入っていて交換となると費用が100万円以上と業者からいわれている」との相談がありました。そのときはあれこれアイデアを出して何とか数万円で済む方法が見つかって切り抜けられましたが、このような問題は常に起こります。問題に対処するための備えが必要です。

もし対応できないとなれば、せっかく手に入れた物件を手放さざるを得なくなってしまいますし、問題を抱えている物件であれば足元を見られますから、高く売って利益を得ることはできません。
 

[図表1]不動産の初期費用


トラブルに対応できるように資金には余裕を持たせる必要があります。お金をかけることでトラブルをキッチリ解決できれば、かかったコストは貸し出しているうちに回収できます。売却するときもそれなりの値付けで利益を出すことができます。

格安の戸建て投資といえども事業です。事業を行うには資金がマストということを頭に入れておいてください。

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