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“築20年2LDK庭・駐車場付き”で〈家賃収入1万円〉…物件価値を左右する「投資エリア」の立地環境

“築20年2LDK庭・駐車場付き”で〈家賃収入1万円〉…物件価値を左右する「投資エリア」の立地環境

「投資エリア」を決めるための2つのポイント

先ほど自己資金のお話をしました。もう資金のメドがついている人はすぐに物件検索……となりがちですが、その前に投資エリアを絞りましょう。あまり広い範囲を投資エリアにしてしまうと土地の情報や相場観を養うのに時間がかかってしまうので、エリアはある程度絞るのが得策です。

筆者の場合は千葉県内、とくに外房エリアをターゲットにしています。外房エリアは千葉県の太平洋側に位置し、幹線道路沿いは店舗などが立ち並んでいますが、1本道をそれれば田園風景が広がっているような立地です。地方ならどこでも見られる、ありふれた光景といえるでしょう。
 

[図表2]千葉県の海沿いエリア


気候は温暖で、冬場でも雪が降ることはめったにありません。比較的過ごしやすい地域だと思います。夏場は九十九里浜が海水浴客で賑わい活気があるのですが、冬場の海は閑散としています。近年は自然減のほか、大規模工場の撤退などによって人口減少に見舞われています。一言でいえば、日本中の市町村が抱えているのと同じ悩みを持っている地域です。

ではなぜ筆者がこのエリアをターゲットにしたのかというと、それには2つの理由があります。
 

理由1:やっぱり土地勘はあったほうがいい

筆者は現在、千葉の外房エリアに住んでいますが、居住する前から趣味のサーフィンのためにこのエリアに頻繁に通っていました。当然、自分が住んでいるエリアはほかのエリアとは情報量が違います。不動産投資で情報量が多いことは明確なアドバンテージです。

地方で投資をしたいけれど、地方に土地勘がある場所がないという方は、まず投資エリアを設定して、その地に頻繁に足を運ぶことです。地場の不動産業者への聞き込み、物件の内見、街の様子の観察。すれ違う車の台数も、そのエリアの人口を測る手がかりになります。そしてスーパーやドラッグストア、ホームセンターなどで自ら買い物客となって、その地域の活気がどうなのかじかに感じてみてください。こればかりは地道にやるほかありません。
 

理由2:お手ごろ価格ながら賃貸需要が手堅くある 

賃貸の需要があっても物件価格が高ければアガリは少なくなってしまいます。賃貸の需要があり、それなりの賃料をいただけてなおかつ物件価格が手ごろだったのが、このエリアでした。物件価格が抜群に安くてもまったく賃貸の需要がなかったり、安い賃料しかもらえないエリアもあります。

物件価格が驚くほど安いエリアを見つけ、その土地に物件見学に出かけたときのことです。筆者の住むところから車で2時間ほどののどかな田舎町。大きな湖があり自然豊かな場所でした。さっそく現地業者の店舗を訪問して話をうかがいます。

業者 「今回は永住目的ですか?」

筆者 「いいえ、購入後賃貸に出そうかと考えています」

業者 「なるほど。ではいくらで賃貸に出そうとお考えですか?」

筆者 「まだこちらははじめてで相場がよくわかってないんです。いくらなら貸せそうですか?」

ネットでの事前リサーチでは近隣の戸建てが4〜5万円で賃貸に出ていました。それくらいの水準を想像していたのですが、甘くありませんでした。

業者 「まあ、この物件だったら……1万円くらいで賃貸が付きますよ」

筆者 「……」

物件は築20年の2LDKで庭と駐車場付きです。賃料1万円なんて考えられません。筆者がそう指摘すると、「賃料4〜5万円の物件は学校や役所、スーパーなどから近い土地の物件。今回の物件はもとが別荘地の山のなか。ニーズは都内の人が別荘感覚で借りるくらいで、需要はかなり限られている」と返されました。

それでもとりあえず物件を見せてもらうために現地に向かいます。着いてみると、そこはなんと森のなか! 俗世間とは切り離された、ロビン・フッドのような世界です。道は軽自動車1台がやっと通れる程度。しかも傾斜があったり、ぬかるみがあったりで四駆でなければ通れません。

物件自体は築20年程度の洋風のオシャレなつくりで、建物の傷みも少なく、売値は100万円台。しかし不便すぎます。物件を前にして「こりゃ賃料1万っすね〜!」と納得しました。このようなエリアもありますから注意してください。

物件検索で掘り出し物に出会うには?

投資するエリアが決まったら、ネットでひたすら物件検索をします。

健美家や楽待のような投資用の不動産ポータルサイトだけでなくアットホームやホームズ、不動産ジャパンなどの投資目的以外のポータルサイトでもチェックする必要があります。

投資用の収益物件が掲載されているポータルサイトは投資家のライバルがみんな見ています。よい物件が出ようものなら問い合わせが殺到するのは目に見えていますから、投資目的のサイトを押さえるだけでは不十分。居住用に売りに出されている戸建て物件もチェックしなければ安い物件を仕入れるのは難しいでしょう。

できれば地場の不動産業者のホームページもチェックできるとライバルに差をつけられます。地場業者のホームページには、自社で客付けしたいということで、たまにポータルサイトにアップしていない物件が載っていることがあります。

そして意外と掘り出し物を見つけられるのが、ポータルサイトで「土地」で検索する場合。「古家付き土地」というものがあり、それらは基本的に土地の値段だけで売買されていて安いのです。「古家付き」と書かれていると廃墟みたいな家が建っているのでは、と思われるかもしれません。実際にたいていは廃墟なのですが(笑)。

とはいえ、たまにまだ利用できるような建物が建っている場合もあります。基本的に激安物件はネットに掲載されたらすぐに売れてしまうものですが、このように土地として売りに出されている物件は、土地で検索している人が少ない分、掘り出し物のまま眠っている可能性があります。

さて、ひたすらネットで検索していると、そのエリアの物件の相場がだいたいわかってきます。やはり相場観をつかむことは大前提。相場がわからなければ安いか高いかの判断もできませんから。

筆者はいまでも毎日ネットで物件検索をしています。アットホームや楽待などスマホアプリをリリースしているところもあり、これを利用すれば通勤中でもスキマ時間でもラクに物件検索できます。ポータルサイトに希望物件の条件を登録しておくとメールで通知してくれるサービスもありますので、ぜひ活用してみてください。

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