最初に買うべきは「古くてもメンテナンスがされている物件」
これから始めようという人がやみくもに高利回りを追求するのは危険です。高利回りは高リスクを意味しますから、その背後には多くの問題が潜んでいます。たとえばネット証券で高い利回りの新興国債券が売り出されていることがありますが、高利回りの陰にはその国の通貨価値下落リスクやデフォルトリスクがあったりします。
不動産も同じで、利回り20%の物件がおいそれと手に入るわけがありません。もし簡単に手に入ったとしたら、その物件はあなたの知らないところで何らかの問題を内在させているはずです。
では、どんな戸建て物件を狙うべきなのかというと、築30年台、どんなに古くても40年台前半で、しっかりとメンテナンスされている物件をおすすめします。雨漏りやシロアリ、傾きなどのリスクはとらず、利回りは低くなるかもしれませんが安全性が高く、失敗リスクが少ないものを選ぶべきと考えます。もちろん、賃貸需要がある地域の物件であることはいうまでもありません。
また、オーナーチェンジ物件(※3)も一考の価値があります。オーナーチェンジなら購入後すぐに賃料収入が発生しますし、融資も受けやすいです。最初に手を出す物件としてオーナーチェンジは向いています。
※3 オーナーチェンジ物件
入居者付きの物件のこと。オーナーチェンジ物件は、現入居者がそのまま住んでくれるのでリフォームする必要がなく、初期費用が少なくて済む。空き家だと購入後リフォームをして、賃貸の客付けをして、賃料収入が発生するまでに早くても3カ月くらいの時間がかかるが、オーナーチェンジなら購入後すぐに賃料収入が発生する。反面、購入前に室内を確認できないことがオーナーチェンジ物件のデメリット。
高利回り・高リスク物件に挑戦するのは知識と経験が増え、リスクを許容できるようになってから。まずは基礎を固めること、そして短期的な利益よりも長期的な安全性と成長を優先することです。
宮崎 俊樹
不動産投資家
サーファー薬剤師
