「気温」関連DI、10月は50超え。気温低下で“繁忙期”を迎える業種も
10月の「気温」関連現状判断DIは50.8、先行き判断DIは59.8とどちらも50を上回る。10月の「気温」関連現状判断DIは50.8、先行き判断DIは59.8と、8月同・現状判断DI 41.7、先行き判断DI 49.2、9月同・現状判断DI 47.4、先行き判断DI 54.8から2ヵ月連続上昇しました。なお、10月の「猛暑」関連現状判断DIが56.9と50超に転じました。
「暑い時期は需要が減る商品のため、気温の低下で繁忙期を迎える。物価が上昇するなか、割安な価格で提供している点も強みと捉えている」という、近畿のその他飲食[洋菓子]管理担当の先行きに関するコメントがありました。
[図表8]2025年7月~10月の気温関連DI、猛暑関連DI 出所:内閣府データから筆者作成
「最低賃金」DI、4ヵ月連続50割れ。企業の“人件費負担増”を懸念
10月「最低賃金」関連現状判断DI、先行き判断DIはどちらも50割れ。最低賃金引上げの企業の負担増を指摘する向きが多い。10月調査で「実質賃金」関連判断DIは2ヵ月連続で現状、先行きとも50割れになりました。2025年の実質賃金・前年同月比が確報値でみてマイナスになったことと整合的な感じがします。10月「最低賃金」関連判断DIは4ヵ月連続で現状、先行き判断とも50割れとなりました。
先行き判断のコメントでは「物価の上昇に見合った賃上げとまではいかないが、最低賃金が大幅に引き上げられ、時間給で働く労働者の賃金は上がる。所得税の見直しにより年末調整で思わぬボーナスが入ることで、少しは消費に回ることが期待される」という景気に関し前向きな、南関東の税理士のようなコメントがあります。一方で「最低賃金引上げの影響により、人件費が上昇し、収益を圧迫する」という東京都のその他サービス業[ビルメンテナンス]の経営者のような悲観的なコメントのほうが多い状況です。
[図表9]2025年6月~10月の賃金関連DI 出所:内閣府データから筆者作成
「万博」DIは閉幕後も50超、「大阪のレジャー施設に追い風」の声も
閉幕後の回答になった10月「万博」関連判断DIは、現状も先行きも景気判断の分岐点の50を上回る。10月の「万博」関連現状判断DIは55.2で50超を維持しました。「大阪・関西万博の影響は大きく、3ヵ月前とは比べられないが、万博閉幕後の10月13日以降も、稼働率、客室料金ともに以前と比べて少しよくなっている。11月以降もまずまずの動きであり、少しいい状況となっている」という近畿の都市型ホテル・販売促進担当のコメントがありました。
「万博」関連先行き判断DIは50.8で2ヵ月ぶりに50超になりました。「大阪・関西万博の閉幕で、大阪のレジャー施設には追い風が吹く」という近畿の遊園地・経営者のコメントがありました。
[図表10]24年11月~25年10月調査:「万博」関連コメント集計表 出所:内閣府「景気ウォッチャー調査」より作成
(注)◎「良」、〇「やや良」、□「不変」、▲「やや悪」、×「悪」
景況感のマイナス要因…「熊」出没と、盛り上がりに欠けた「日本シリーズ」
10月「熊」関連判断DIは現状、先行きともに33.3と景気の悪化要因に。今年は全国で熊による襲撃事件が相次ぎ、死亡事故も複数発生しています。気候変動やドングリなどの餌不足により、冬でも活動する熊が増加しているようで、住宅街での目撃例もあり、住民の不安が高まっています。10月景気ウォッチャー調査でもコメント数は少ないものの熊に関するコメントがあり、「熊」関連判断DIをつくると現状、先行きともに33.3と景気の悪化要因になっていることがわかりました。
現状判断では「購買単価は上昇傾向にあるが、来客数の減少が顕著で販売量は減少している。熊の出没により、特に夜間の人流が少ない」東北のコンビニ・経営者や、「天候の状況や熊の出没などで観光客が減少し、タクシーの利用客も自然と減少するという状況が続いている」北陸のタクシー運転手のコメントがありました。
[図表11]25年10月調査:熊関連コメント集計表 出所:内閣府「景気ウォッチャー調査」より作成
(注)◎「良」、〇「やや良」、□「不変」、▲「やや悪」、×「悪」
[図表12]25年10月調査:優勝関連コメント集計表 出所:内閣府「景気ウォッチャー調査」より作成
(注)◎「良」、〇「やや良」、□「不変」、▲「やや悪」、×「悪」
また、今年の日本シリーズは、ソフトバンクと阪神の対決になり、ソフトバンクが優勝しました。どちらもリーグ優勝したチームで、それぞれのリーグで人気2位(今年の読売新聞の世論調査による)がクライマックスシリーズを勝ち上がり対決しましたが盛り上がりに欠けたようです。
「例年であれば、プロ野球リーグの優勝に伴うセールなどで地域全体が盛り上がりをみせるが、今年は主にメジャーリーグ関連の話題が中心となっており、国内のイベントとの連動性に乏しく、地域の活気にはつながっていない」という、中国(地方)のスーパー・販売担当のコメントがありました。
[図表13]景気ウォッチャー調査(2025年10月)主な要因別DI 出所:内閣府データより筆者作成
※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。
宅森 昭吉(景気探検家・エコノミスト)
三井銀行で東京支店勤務後エコノミスト業務。さくら証券発足時にチーフエコノミスト。さくら投信投資顧問、三井住友アセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメントでもチーフエコノミスト。23年4月からフリー。景気探検家として活動。現在、ESPフォーキャスト調査委員会委員等。
