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ドバイエアショー6兆円の巨額商談。エミレーツ航空が描く「空飛ぶ宮殿」とHONDAの「空飛ぶクルマ」構想

ドバイエアショー6兆円の巨額商談。エミレーツ航空が描く「空飛ぶ宮殿」とHONDAの「空飛ぶクルマ」構想

◆大規模投資を支えるドバイ政府との提携

エミレーツグループ会長のシェイク・アハメッド・ビン・サイード・アル・マクトゥーム殿下
この巨額な発注を実現できる理由について、エミレーツグループ会長のシェイク・アハメッド・ビン・サイード・アル・マクトゥーム殿下は、「強固な財務基盤と大規模な投資計画を実施するためのドバイ政府との戦略的提携にある」と発言している。

これは、エミレーツ航空が単なる一企業ではなく、ドバイという都市のインフラであり、経済成長のエンジンそのものであることを示している。ドバイ政府が、世界的なハブ空港としての地位を維持・強化するために、エミレーツ航空の強力な後ろ盾となり、大型投資を可能にするという戦略的協力関係が土台にあるのだ。

投資は航空機材だけでなく、ロールスロイスと提携したエンジン整備の自社化や、フランスの航空部品メーカーであるサフランと提携した航空座席の製造、SAF(持続可能な航空燃料)の国産化など多岐にわたる。利用者にとっては、機内でスターリンクWi-Fiが利用できるなど利便性もアップする。

エミレーツ航空がドバイエアショーで行う巨額の発注は、「私たちは将来も航空業界をリードし続ける」という強い姿勢を示すメッセージを世界に発信しているのである。

◆世界の空の主役が変わり始めた 注目を集めた出展者たち

ドバイエアショーで地上展示するCOMACのC919
COMAC C919機内の中国南方航空の客室乗務員
ドバイエアショーの興味深さは、エミレーツとメーカーの動きだけではない。世界の空の勢力図を変えようとする、新しいプレーヤーの存在が際立っていた。

長らく欧州のエアバスと米ボーイングの民間航空機メーカー「二強」時代に挑戦状を叩きつけているのが、中国のCOMACである。彼らが開発した新型のナローボディ機「C919」は、アジア以外では初めて飛行展示を披露し、大きな注目を集めた。

C919は、エアバスのA320やボーイングの737といった、私たちにとって最も身近な路線で使われる機体のライバルである。COMACは、これまで自国の需要を頼りに成長してきたが、このドバイの地で機体を世界に披露し、「これからは世界の空でも存在感を発揮する」という強い意志を示した。


配信元: 日刊SPA!

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