
◆TOKIO・STARTO社と契約終了
TOKIOがSTARTO社との契約を終えた。その前には国分さんが6月に鉄腕DASHを降板、11月には記者会見を開いた。この一連の騒動について、松岡さんは「あのときも今も、日テレサイドからは何の説明も報告もなかった」と、戸惑いを口にしたという。会社を辞めた上で自分の思いを口にしたのは、後輩たちに迷惑をかけたくないという男気からだろう。日本テレビ側の行動は当事者を守る意図もあったと思う。この1年、テレビ局とタレントの問題が度々起きており、早めに処理しなければと焦ったのだろう。だが、テレビという巨大装置は芸能事務所・テレビ局・視聴者という三角形で成り立ってきたもので、今回の件はその均衡がまたひとつ崩れたことを示している。
ここから、日本テレビは大きな選択をしなければならない。何より30年以上続いている鉄腕DASHをどうするか。TOKIOというチームの長年の居場所でもあった番組が、局とタレントの関係性で揺れるのは、視聴者もどうにも胸がざわつくだろうし、このまま平然と見続けるのも複雑だ。
◆それでも鉄腕DASHは形を変えて続けるべきだ
では、城島さんと松岡さんが鉄腕DASHを卒業するという選択をし、後輩たちだけで番組を続けてもいいのか? 僕は違うのではないかと思う。鉄腕DASHは単なるバラエティではない。日本のテレビが持つ「善意の塊」みたいな場所だと思う。どこかの島を開拓したり、職人の技を継承したり。あれはTOKIOがTOKIOであるためのステージであり、同時にテレビの矜持のようなものでもあった。だからこそ冒頭の松岡さんの言葉は重い。タレントと局の関係が冷えれば番組作りは確実に変わる。心の距離は、画面越しにも必ず伝わる。山口さんの離脱、長瀬さんの卒業、事務所の独立。TOKIOはこれだけ紆余曲折を経てきた。彼らはそのたび「じゃあ俺たちは何ができる?」と前を向いた。鉄腕DASHがどんな形をとるにせよ、必ず“自分たちのやり方”で答えを出すのではないか。そう思わせる強さがある。
テレビが変わり、芸能界が変わり、信頼関係が音を立てて崩れていくような時代。それでもなお「誰が、何のために走るのか」を問い続ける場所があるとすれば、それはやっぱり鉄腕DASHのような番組だ。だから、僕は思う。テレビという枠を超え、彼らが思うようにネットで鉄腕DASHのような番組を作り続けてほしい。それを見せ続けることが、たくさんの人の希望にきっとなる。

【鈴木おさむ】
すずきおさむ●スタートアップファクトリー代表 1972年、千葉県生まれ。19歳で放送作家となり、その後32年間、さまざまなコンテンツを生み出す。現在はスタートアップ企業の若者たちの応援を始める。コンサル、講演なども行っている

