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【更年期の養生 Vol.6】温泉養生で冬の不調を改善。冷え・乾燥・滞りタイプ別の泉質選びと入浴法

【更年期の養生 Vol.6】温泉養生で冬の不調を改善。冷え・乾燥・滞りタイプ別の泉質選びと入浴法

すっかり寒くなり、温泉が恋しい季節となりました。温泉にはさまざまな泉質の種類がありますが、どれが自分の体調や体質に合っているのか気になりますよね。
実は温泉の泉質選びや入り方を工夫すると、更年期の悩みをやわらげる助けに。今回は1年の疲れを癒す温泉選びのポイントと入浴前後の養生法について、更年期に多い3つの不調タイプ別に東洋医学の視点でご紹介していきます。

下半身の冷え・腰痛・むくみなどが気になる“冷えタイプ”には「温熱効果が高い温泉」

この時期になると多くの人が冷えを感じるものですが、特に下半身が慢性的に冷える人は、体全体の熱源となる「腎陽(じんよう)」が不足している可能性が。このタイプには、朝起きたときに腰が重い・だるい・痛い、足先が強く冷える、むくみやすい、疲れが抜けにくい、水太りしやすいなどの傾向も多く見られます。
こうした冷えを中心とした不調が気になる人には、体を芯まで温めて湯冷めしにくい温泉がおすすめ。塩分が皮膚に膜を作って保温するため温熱効果が長く続く塩化物泉がいいでしょう。

◉塩化物泉の主な温泉地
・城崎温泉(兵庫)⋯⋯海水の成分に近い塩分を含む塩化物泉。1300年の歴史を持つことでも有名。
・秋保温泉(宮城)⋯⋯保温力が高く湯冷めしにくい温泉で、古くから皇室の御用湯とされてきた。
・別府温泉(大分)⋯⋯7種類もの泉質がそろう温泉地。塩化物泉を中心に炭酸水素塩泉、硫酸塩泉などを組み合わせて温泉めぐりをしてみても。

【温泉の入り方】
強い冷えがある場合、温泉で急に体を温めると一種のヒートショックのような状態になりやすいので、入浴前に足首やふくらはぎ、腰まわりをカイロなどで入浴直前まで軽く温めておくといいでしょう。ぬるめの白湯を少し飲んで、体を軽く温めるのもおすすめです。

入浴の際は40℃前後のお湯を選び、お湯につかる時間は5〜7分、これを2〜3回繰り返す「分割浴」をしましょう。分割浴をすることで深部までじんわりと温まります。入浴後は下半身にタオルを巻くなどして、しっかり保温を。マッサージオイルを手にとって両手で挟んで温め、足首やかかとを3分ほどマッサージすると、下半身のめぐりがよくなって湯冷め防止になります。なお、入浴後の水分補給は白湯を飲み、冷たい飲みものは避けましょう。

のぼせ・ほてり・ホットフラッシュなどが気になる“乾燥タイプ”は「肌にやさしい温泉」

のぼせやほてり、ホットフラッシュ、肌やデリケートゾーンの乾燥、不眠などが気になる人は、体全体の水源となる「腎陰(じんいん)」が不足している可能性が考えられます。こうした乾燥を中心とした不調が多く見られるタイプの場合は、刺激が少なく肌にやさしい、心身の緊張をやわらげる単純泉がおすすめです。

◉単純泉の主な温泉地
・箱根湯本温泉(神奈川)⋯⋯透明でやわらかい湯ざわり。心身の緊張が解けやすく、胸の高ぶりなどを落ち着かせる助けに。
・下呂温泉(岐阜)⋯⋯弱アルカリ性単純泉で、とろみのあるお湯には美肌効果が。皮膚や粘膜の乾燥が気になる人に◎。
・指宿温泉(鹿児島)⋯⋯名物の砂むし温泉と組み合わせると、リラックス効果が高まる。

【温泉の入り方】
このタイプは首元や頭部に熱がたまりやすいので、入浴前に数回深呼吸をして頭部の熱を発散しましょう。白湯をひと口飲むと、頭部に昇っている気(き=エネルギー)を下に降ろすことができます。皮膚や外陰部などの乾燥が気になる場合は、ホホバオイルなどを薄く塗って保護してから入浴するといいでしょう。なお、夜遅い時間の入浴は腎陰の消耗につながるので、20時までに入浴するのがおすすめです。

入浴の際は37〜39℃のぬるめのお湯を選び、5~7分の短い入浴を2回行う分割浴を。このタイプはのぼせやすいので、湯船に浸かる時間はできるだけ短時間に。入浴中に深呼吸をするとのぼせ予防になります。
入浴後はすぐに全身をオイルなどで保湿し、あわせて足裏の「湧泉(ゆうせん)」のツボ(足先を曲げたときにくぼむ場所)を軽く押すといいでしょう。のぼせ気味のときは常温の水で濡らしたタオルを軽く絞って首の後ろや耳の後ろ、こめかみなどに当てると、頭部の熱感をほどよく冷ますことができます。

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