「捕獲したら殺すしかない」岩手県在住68歳男性が“クマ被害の実態”を語る。「山に放してもまた降りてくる」ワケ

「捕獲したら殺すしかない」岩手県在住68歳男性が“クマ被害の実態”を語る。「山に放してもまた降りてくる」ワケ

◆痩せたクマと太ったシカ

ーー今年はとくにドングリが不作で、クマが人里に降りてきていると言われています。

茂男さん:知り合いに聞いた話だと、猟友会が獣道に鹿の罠をかけているそうなんですよ。たまたま罠にクマが引っかかっていたそうですが、やせ細っていたと。代わりに、食べものに困っていない鹿はしっかり太っていたと聞きました。

ーー食べるものがなくて必死なんですね。そこで議論になるのが「駆除」か「共生」かという話です。

茂男さん:愛護団体が殺しちゃダメだって言うけど、あなたたちが半年や1年、クマが出没する場所に住んでみろって言いたいですよね。

だって人間が殺されるんだから。クマと人間どっちが大事だって言えば、人間が大事でしょ。

確かにかわいそうだけど、里に降りてきたものは捕獲して殺すしかないと思うんだよ。捕獲して山に放してやると、また里に降りてくるから。

ーー人里の味を覚えた個体は、数年後にまた戻ってくると言いますよね。

茂男さん:小グマの頃に人里に来て「ここに食べ物がある」と覚えると、2年経って成獣になってからも来るんですよね。山に食べ物があればいいんだけど、不作になれば降りてくるんです。

本当は動物も人間も共生するのが理想ですけどね。でも、命がかかっているから、綺麗事だけじゃ済まないのが現実です。

◆都会の人は「情報」を持って来てほしい

ーー最近はアウトドアブームもあり、都会から山に入る人も多いですが、今の山はおすすめできませんか。

茂男さん:今は難しいと思いますよ。熊と遭遇したときの対処法なんてあるけど、実際に会ったらびっくりすると思うよ。後ずさりして逃げればいいとか、そんな冷静にいられるもんじゃない。小熊だって怖いし、突然襲ってくるからね。

ーー都心からの旅行者が東北に来るためには、どうすればいいでしょうか。

茂男さん:今は腹が減って冬眠しないクマもいるからね。 都心の人たちはね、どこに行ってもいいんだけど、ある程度情報をもらったほうがいいんじゃないですかね。車で来るならまだいいけど、登山だとどこから出てくるか分かんないしさ。

ーーとりあえず行ってみようではなく、地元の情報を仕入れるのが大切ですね。

茂男さん:そう。市役所とか観光ガイドみたいなのに聞いたほうがいい。今度いとこ会で県内の温泉に行くんだけど、東京の親戚から「クマ大丈夫か?」って聞かれたから「露天風呂はないから大丈夫だ」って冗談言ったんだけどさ(笑)。露天風呂でもこの前、被害が出たからね。

「今は東北に来ないで」とまではもちろん言わないから、来るときは情報をよく確認して来てくださいね。

ーー私たちにできることは、情報を取り入れつつ正しく恐れることなのかもしれませんね。これから一層寒くなりますが、油断せず気をつけていこうと思います。

<取材・文・撮影/松浦さとみ>

【松浦さとみ】
韓国のじめっとしたアングラ情報を嗅ぎ回ることに生きがいを感じるライター。新卒入社した会社を4年で辞め、コロナ禍で唯一国境が開かれていた韓国へ留学し、韓国の魅力に気づく。珍スポットやオタク文化、韓国のリアルを探るのが趣味。ギャルやゴスロリなどのサブカルチャーにも関心があり、日本文化の逆輸入現象は見逃せないテーマのひとつ。X:@bleu_perfume
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