北堀江の街並みに、昼はクレープカフェ「PALM」、夜はビストロ「bōTH(ボス)」として営業する“二毛作スタイル”の新店が登場。
ガレットやクレープを中心に、夜はワインに合う“大人の味”を楽しめる一軒です。ここでしか味わえない夜のクレープ体験、してみませんか?
北堀江にひっそり佇む“昼カフェ×夜ビストロ”。2つの顔を持つ「bōTH(ボス)」

静かな空気が流れる北堀江の一角に、ちょっと気になるお店を発見。Osaka Metro「四ツ橋駅」から歩いてすぐの場所に、2025年夏にオープンした「bōTH(ボス)」があります。外から見れば一見おしゃれなビストロ。でも昼間の顔は…実は福島や茶屋町で大人気のクレープカフェ「PALM(パーム)」3号店なんです。
堀江エリアといえば、感度の高いお店が点在する注目スポット。「bōTH」はそんな街の空気にしっくりと馴染みながら、昼は「PALM」として甘くて華やかなクレープを、夜は「bōTH」としてワインやビストロ料理が楽しめる“二毛作スタイル”で営業しています。

店内は、都会の喧騒を忘れられるような心地よさ。温かみのある木の素材を基調にした空間で、昼と夜、それぞれの空気感をしっかりと演出。17時半を過ぎると、照明が落ちてガラリと雰囲気が変わり、まるで隠れ家ビストロのようなムードに。おひとりさまでも、カップルでも、女子会でも、どんなシーンにもフィットする“ちょうどいい抜け感”が魅力です。

「PALM(パーム)」は“手のひら”を意味し、「bōTH(ボス)」は“手の甲(Back of The Hand)”。つまり、表と裏でセットになる関係性。そしてBOTH=“双方”の意味もあるそうで、お客さんとお店、料理と空間、それぞれの関係を大切にしていきたいという想いが込められているのだとか。なるほど、深い。

わざわざでも行きたくなる理由が、じんわりと沁みてくる。そんな空間とコンセプトのある、素敵なお店です。
星付きパティシエ監修!昼も夜も“主役”はクレープとガレット
「PALM Café&Crêperie堀江」そして「bōTH(ボス)」の魅力を語るうえで、欠かせないのがメニューの完成度。昼も夜も主役となるのは、こだわり尽くしのクレープとガレットです。

まず、クレープ生地にはフランス・VIRON社の高級小麦粉「ラ・トラディション・フランセーズ」を使用。ひと晩じっくり寝かせることで、もっちりとした厚みのある生地に。星付きレストランで経験を積んだパティシエが開発を手がけており、甘いだけじゃない、奥行きのある味わいが特徴です。

昼のラインナップには、エシレバター&シュガーのシンプルな王道から、苺やチョコレートをたっぷり使った贅沢系、秋にはモンブランなど季節限定も登場します。中でもユニークなのが「ラムレーズン」。この一品、夜の「クレープビストロ」らしさが光る大人の味わい。ワインとのペアリングもおすすめです。

一方ガレットはというと、なんと蕎麦粉100%。原材料はそば粉・水・塩のみ。上村さんが本場フランスまで赴いて研究した、クラシックなレシピです。有塩バターを塗って香ばしく焼き上げ、外はパリッ、中はじゅわっと食べ応え抜群の生地に仕上がっています。写真は「鴨とグリル野菜のガレット バルサミコ酢」。しっかり食べたい派にも大満足のボリュームでした。

「フランスで、年配の男性ふたりが昼にガレットを食べていた光景が忘れられなくて」と語る上村さん。クレープ=スイーツという先入観にとらわれず、日常に寄り添う料理として楽しんでほしいという想いが伝わってきます。
「流行りじゃなくて、“気づけば今日もここにいる”そんな場所にしたいんです」——一皿ごとに、そんな優しさが詰まっていました。