まずは手指の“健康診断”を!不調に気付き、ケアしましょう

上のグラフのように、年齢とともに悩む方が増えてくる、手指の痛みや、しびれ・変形などの不調。実はその原因について「はっきりわからない点も多い」と話すのは、手外科のスペシャリストである大井宏之さんです。
「例えば、特に患者数が多いへバーデン結節や母指CM関節症などの『手の変形性関節症』。これは指の関節にある軟骨が加齢や摩耗ですり減り、関節に負担がかかることで痛みや腫れなどが生じるとされます。
一方でその発症には、閉経後の女性ホルモンの減少、糖尿病や高血圧の有無、遺伝的要素など、さまざまな因子が関係しているとされ、“疾患自体を予防する”ことは非常に難しいと言えます。だからこそ手指の変調に早く気付き、正しく対処することが大切です」と強調します。
手指の疾患の兆候は、痛みや腫れなど顕著なものだけではありません。例えば「手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)」(後述)では、「OKサインが作りにくい」「指先で物がつまみにくい」といったことも症状の一つ。他にも代表的な疾患のセルフチェック項目を次からまとめました。まずはセルフチェックで手指の健康診断をしてみましょう。
セルフチェック1:「ヘパーデン結節」「ブシャール結節」「母指CM関節症」

指の関節が変形する「ヘパーデン結節」「ブシャール結節」
【どんな病気?】
へバーデン結節は、手の変形性関節症の中で最も患者数が多い病気。指の第一関節に痛みや腫れが起こります。第二関節で同様の異常が起こるのはブシャール結節です。
【こんな人は注意!】
□指が痛くてペットボトルのふたなどが開けられない
□指先で物を持つと指が痛む
□指の関節が腫れたようにふくらみボコボコしている
親指の付け根が痛む「母指CM関節症」
【どんな病気?】
加齢や親指の使い過ぎが原因で起こるとされ、悪化すると関節が変形、癒着することも。親指を使って物を持つ、つまむ動作がしづらくなります。
【こんな人は注意!】
□親指の第二関節が反りかえっている
□親指の付け根に痛みや腫れがある
□親指に力を入れる動作で、親指の付け根に痛みが生じる


