グリーフケアの3つのステップ
1.悲しみを否定せず、涙を受け入れる
涙は心の自然な反応です。泣くことを我慢し続けると、心が固まってしまいます。
「泣いてもいい」「悲しんでもいい」と自分に許可を出すこと。それが癒やしの第一歩になります。
2. 思い出を語る——話すことで癒やされる
誰かに亡き人のことを話す。日記に思い出を綴る。言葉にすることで、心の整理が少しずつ進みます。
「話すこと」は「放すこと」。心の中の痛みを外に出すことで、優しい記憶に変わっていきます。
3.新しい日常を少しずつ取り戻す
小さな行動が心を動かします。散歩をする、花を飾る、好きな音楽を聴く——。
日常の中に“穏やかな瞬間”を見つけることが、再生への第一歩です。
参加者の声が教えてくれた“心が癒える瞬間”
私が講師を務めるグリーフケセミナー(※1)では、参加者の82%が「心が軽くなった」と回答し、74%が「涙を流すことを許された気がした」と話しています。
アンケートには、次のような声が寄せられました。
「亡き母に“ありがとう”と言えた気がします」
「ひとりで泣いてもいいと知って、心がほどけました」
「悲しみは終わらせるものではなく、寄り添うものだと気付けました」
これらの言葉が伝えてくれるのは、“人は理解されることで癒える”ということ。グリーフケアは特別なことではなく、心に寄り添い、痛みを分かち合うことから始まります。
セミナーをきっかけに「家族と話すようになった」「亡き人の話をできるようになった」という方も多く、グリーフケアが“生きる力を取り戻す支援”であることを証明しています。
専門家として感じる“悲しみの回復プロセス”
グリーフケアの理論では、悲しみの癒やしは直線ではなく波のように揺れながら進むと言われます。人は、受容・混乱・怒り・再構築といった感情を行き来しながら、少しずつ心を整えていきます。
大切なのは、どんな気持ちが湧いても“否定しないこと”。
泣くことも、怒ることも、沈むことも、すべてが回復の過程なのです。
講師として感じるのは、人が癒える瞬間には必ず「共感」があるということ。「自分だけじゃない」と感じた瞬間、人は初めて涙を流せます。その涙は悲しみを流すだけでなく、再び“生きる力”を呼び覚ますのです。
グリーフケア士・吉原友美からのメッセージ
──悲しみの奥には、必ず「愛」があります。
涙の理由をたどると、そこには「もっと何かしてあげたかった」「ありがとうを伝えたかった」という想いが眠っています。私は、その想いこそが“人を再び生かす光”だと感じています。
私自身も大切な家族を見送り、その経験が今の活動の原点になりました。悲しみを知った人の優しさは、他の誰かを支える力に変わっていきます。だからこそ、グリーフケアは“悲しみの終わり”ではなく、“愛の循環の始まり”なのです。「人は、誰かに想われて生き、想い続けることで生きていける」そう信じて、これからも一人一人の心に灯をともしていきたいと思います。
グリーフケアセミナーで得られるもの
私のグリーフケアセミナーでは、悲しみを無理に手放すのではなく、「抱えながら生きる」ための方法を一緒に学びます。
涙を流すことも、思い出を語ることも、すべてが心を整える時間。他の参加者の想いに触れることで、「自分も一人じゃない」と感じられるひとときです。一度の参加でも、心にそっと灯がともる。それが、このセミナーの最大の価値だと多くの方が語ってくださっています。

