
たいみち
始まりは別々
前回は、単語などを暗記するための道具「暗記器・記憶器」の類を紹介した。仕切りが動いたり、中のカードが自動的に入れ替ったりと、何らかの仕掛けが付いているタイプだ。そして今回は、よくある紙の単語カードや、暗記器・記憶器についても単にカードを入れるケースで、形状に多少の工夫がされている程度のシンプルなものを紹介する。
仕掛けがあるタイプとシンプルなカードやケースのどちらも単語などを覚えるためのもので、私のコレクションとしてはひとまとめになっている。だが、集めるに至ったきっかけは 別々で、前回紹介した仕掛け付きの暗記器・記憶器は骨董市で「オートメモ」(※前回の記事を参照ください。https://www.buntobi.com/articles/entry/series/taimichi/021356/)を見つけて、面白いと思ったのが始まりだ。
そしてシンプルなカードやケースは、あるサービス券がきっかけだった。
高木カード社ゼブラ印の単語カードと記憶器
古文房具を集め始めて間もないころ、よく文房具店回りをしていた。その時に箱に入った単語カードを見つけた。箱にただの白いカードが入っているだけのものだが、箱に書いてあるゼブラのマークがかわいらしくて惹かれた。価格も20円とはかわいらしいではないか。
当時、文房具店の方から「20円だけど、古いものなので10円でいいわ」といわれたのをよく覚えている。(20円で購入した)
それがこのカードだ。
ゼブラのマークだが、筆記具のゼブラではないようだ。さて、メーカー名はないだろうか。
あちこち見ていると箱のふたの裏に張り付くように紙が付いていた。
ご愛用優待券だ。会社名は高木カード社であることがわかった。この券を集めると「記憶器」がもらえる。さらに、“好評につき、シメ切なく永久に有効”という現実を見ていない設定も面白い。
今でこそ、「記憶器、ああ、あれね」とすぐに思い浮かぶくらいには知っているが、当時は記憶器がどんなものかもまったくわからず、知らない分とてもわくわくした。
「これ、見つけたい。」
そう思った瞬間、私のコレクションに単語カードが加わることが決まった。
