シャコバサボテンの育て方のポイント

用土
用土は水はけと通気性のよいものを選びましょう。市販されているサボテンや多肉植物用の培養土、あるいはシャコバサボテン用の土を使うとよいでしょう。自分で用土を作る場合は、赤玉土と軽石を1:1で配合したところに、ピートモスやバーミキュライト、ゼオライトなどを混ぜるのがおすすめです。
水やり
自生地では木に着生して生きているので、根の周りに常に水がある状態でなくても生育します。葉にも水を蓄えているので、ある程度の乾燥には耐えることができるわけです。しかしながら、根の乾燥により生育が阻害されるとうまく吸水できず、葉が赤くなってきます。葉の色が変わってきたら水分不足の可能性があるので、日々の様子を観察しながら定期的な水やりを行いましょう。4~10月は用土の乾き具合を見て、土の表面が乾いたくらいで水やりを行います。秋になって気温が下がってきたら、水やりの頻度を減らしていきましょう。冬には室内に取り込みますが、室温が18℃以上あるようであれば、生育期同様に定期的な水やりをします。
肥料
春から夏の間は定期的に緩効性肥料を施し、併せて3~6月は液肥を与えておくと効果的です。夏以降の追肥は必要ありません。肥料は鉢栽培用、あるいは観葉植物用のものを選びましょう。肥料過多になると、肥料焼けを起こして根を傷めてしまうことがあるので、施肥をする際は規定量、あるいは規定量より少なめに与えて様子を見ましょう。
注意する病害虫
基本的に病害虫の心配はありませんが、梅雨時期にナメクジや毛虫が付いて、柔らかい部分の葉を食害されることがあります。害虫の活動する夜に見回りし、見つけ次第駆除しましょう。また見つからない場合は根元に潜んでいることもあるので、注意深く観察し、必要に応じて薬剤を散布しましょう。
シャコバサボテンの詳しい育て方

苗の選び方
シャコバサボテンの苗を選ぶ際は、茎や葉の状態をチェックしましょう。茎が太くしっかりとしていて、葉の色が濃いものがよい苗です。葉は肉厚でつややかだとなおよいでしょう。
植え付け・植え替え
植え付けや植え替えは、生育期である4~6月に行いましょう。大きくなるにつれて鉢内に根が張り、根詰まりを起こしてしまうので、1~3年に1回は植え替えをします。
花がら摘み
咲き終わった花を取り除く花がら摘みは、株の見栄えをよくして、株の消耗や病害虫を避けるために重要な作業です。開花期の間は、花がらをこまめに摘んであげましょう。
シャコバサボテンの花がらは、指でつまんでひねれば簡単に摘めます。つぼみに刺激を与えると落ちてしまうことがあるので、手が当たらないように注意しましょう。
葉摘み

シャコバサボテンの管理として大切なことの1つに「葉摘み」があります。ピンチや摘心ともいわれるこの作業は、草姿を整えるためと花を咲かせるために、春と秋の2回行います。
春の葉摘みは4月頃に行いましょう。冬越しをして樹形が崩れた株を整え、枝数を増やすため、上から見て円形に葉が整うよう、乱れた葉は先端から1〜3節を指で捻って摘み取ります。この摘み取った部分は挿し芽に用いることもできます。
秋の葉摘みは9月頃で、新芽を摘み取ります。シャコバサボテンは新芽には花芽が付かないという特徴があるため、すべての枝の成長を止めることで、花芽形成を促し、また花の咲く時期を揃えることができます。秋の葉摘みのポイントは、葉摘みの後は2週間ほど水やりを止め、その後に再開させること。こうすることで株を大きくする「栄養成長」がストップして子孫を残す「生殖成長」に切り替わり、花が咲きやすくなります。
短日処理
花芽を形成させるためには、10月以降に気温が20℃を下回ったら、日の当たる時間を12時間未満にする「短日処理」が大切になります。短日処理の際は、夜は電灯の光が当たらない場所で管理するか、夜を含めた12時間以上の間、段ボールで覆うなど、一定時間暗い環境にして、花芽を作らせます。室内のライトの明るさにも反応してしまうため注意が必要です。
増やし方

シャコバサボテンは種まきと挿し芽で増やせますが、一般的によく行われるのは挿し芽での増殖です。挿し芽の場合、1つの茎節からでも増やすことができますが、通常は活着後の生育の速度を上げるために2節ほど挿します。春に葉摘みをした際の茎節を2節挿すことで、効率よく増やすことができます。用土は、挿し木用のものや赤玉土にバーミキュライトを混ぜたものがよいでしょう。鉢を使う場合は、鉢の縁に沿って挿すことで、成長後も綺麗な株を作ることができます。挿した後は用土を乾かさないように管理しましょう。
シャコバサボテンの花をたくさん咲かせるには?

シャコバサボテンを増やすためには、一年を通してしっかりと管理することが大切です。春から夏にかけては日の光を十分に当てて、秋以降は先述の短日処理を行うなど、メリハリのある飼育を心がけましょう。
シャコバサボテンを上手に育ててクリスマスシーズンのインテリアに彩りを!

見事な花を咲かせるためには一年を通した管理が大切になりますが、その分整った姿で一斉に咲いたシャコバサボテンは、寒い冬を明るくしてくれることでしょう。また一年の栽培の成績表として開花という結果がついてくるため、とても育て甲斐のある植物です。自分の好みの花色を集め、色とりどりのシャコバサボテンで自宅を彩ってみませんか?
Credit 文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!
