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秋田県のマタギが「今年のクマは異常」と語る理由。早くから被害拡大を予感…「食の傾向も変わっている」

秋田県のマタギが「今年のクマは異常」と語る理由。早くから被害拡大を予感…「食の傾向も変わっている」

◆自衛隊・ガバメントハンターは有効か?

[クマvs人間]ガチンコ撃退術
9月には市町村の判断で市街地での猟銃使用が可能になったが、ハンターは「市街地での発砲はリスクばかり」と話す(写真は荒井裕介氏提供)
10月28日、秋田県の鈴木健太知事は自衛隊の派遣を要請した。クマ対策の強化に乗り出していた政府は、11月5日には秋田県北部に自衛隊員を投入。さらに警察OBらへの協力要請や狩猟免許を持つ自治体職員=ガバメントハンターの育成が打ち出された。だが、当のハンターの反応はイマイチ。岩手県でクマ撃ちを続ける男性が話す。

「自衛隊が箱わなの設置やクマの運搬などを担ってくれるのはありがたい話ですが、どこに罠を設置すると有効か判断できる人はいないので、結局は猟友会頼み。ガバメントハンターの育成が進むとされていますが、クマを撃つには最低でも5年の修業が必要です。半矢(手負いの意味)のクマを逃がすことほど、怖いものはありませんから。習性を把握し、心臓などのバイタルポイントを撃ち抜く技術を身につけるにはそれだけの時間が必要なのです」

◆ガバメントハンターの確保は容易ではない

環境省によると’20年時点で、ライフル銃などを扱える第1種銃猟免許の所持者は9万人。その数は約40年前と比較して5分の1にまで減少している。そのため、ガバメントハンターの確保も容易ではない。「手っ取り早く、猟友会メンバーを非常勤で雇用すれば、猟友会が分裂しかねない」という。

そもそも、危険と隣り合わせにもかかわらず、クマの駆除に対する報奨金は、数千円から数万円と自治体によってまちまちだ。さらに、撃ち取ったクマを食用にできない地域もある。

「岩手県は震災以降、放射性物質による出荷制限があって、捕獲したクマ肉を売れない。わずかな報奨金では命を削ってクマを撃とうという人など増えない。国を挙げて報奨金の上限と下限を決めたり、自治体をまたいで駆除活動ができる仕組みが必要です」

※週刊SPA!12/9号より

取材・文/週刊SPA!編集部

―[[クマvs人間]ガチンコ撃退術]―

配信元: 日刊SPA!

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