
家族構成やライフスタイルが異なる3 名の整理収納アドバイザーの自宅から、すっきりと心地よく暮らす秘訣を学びます。
見せる収納・隠す収納をはじめ、片付けのプロならではのノウハウも満載です。
ご自宅を見せていただいたのは・・・
岡本あつみさん(48 歳)
約80㎡、3LDK、夫、子ども3人と5人暮らし
「インテリア」のために「片付ける」という発想で部屋づくりをサポート。ルームスタイリストとしても活躍し、様々な暮らしのアイデアをInstagram(@atsumi.okamoto)などで発信。
自分の〝好き〟を見直し素敵に〝飾る〟部屋作りを
岡本さんは、11年前にリノベーションしたマンションで夫婦と3人の娘の5人暮らし。
80㎡という限られた空間で、飾りたいものを引き立てて、「インテリアを楽しむ」ための片付けを提案しています。
「整理収納の基本は、〝いる・いらない〟を仕分け(整理)し、必要なものの定位置を決める(収納)という手順。収納から始めると、いるもの・いらないものが混在し、散らかりやすいんです。そして、整理収納アドバイザーの仕事は、整理と収納で片付けしやすいシステムを作ること。インテリアを飾るのはこの後になるんです。でも、私は、逆の手順、先に好きな
インテリアを飾り、それが映えるよう片付けのシステムを考えていくのも手だと思ったんです」
基本の手順では、インテリアを飾りたくても、整理収納を終える前に挫折してしまうケースも多い、と岡本さん。逆パターンなら楽しみが先にあるため、整理収納が苦手でも片付けられ、暮らしが変わる50代にこそ試してみてほしいと、言います。
「家族が多いといろんな価値観が入ってきて、自分の好きなものが後回しになりがち。でも、子どもが巣立った大人世代は、自分の〝好き〟を見直せる、絶好のタイミングだと思います。自分の〝好き〟を突き詰め、目にしやすいところに飾ることで、この先の暮らしを楽しみながら整えていけますよ」
また、岡本さんによると、インテリアを飾るコツは「棚だけでがんばらず、壁を使うこと」。
「壁は床から天井まで広く使えるインテリアの舞台。まずは、ポスターやグリーンから飾ってみてください。おすすめは、大きいものをドーンとあしらうこと。
小さなものを組み合わせるのはバランスが難しいですが、大きなものは、テクニック要らずで、空間が決まります。また、鏡を飾ると奥行きが出るうえ、インテリア性がぐんと高まります。さらに、飾りたいもののテイストに合わせて、壁に色を使うとぐっと引き締まり、多色使いでもシックにまとまりますよ」
窓一面にグリーン、壁一面に本棚を配した
印象的なリビング・ダイニング

グリーンは鉢台や棚を使って空間にバランスよく配置
ベランダ側の窓ガラス一面に飾られたグリーン。
「小さな鉢は棚に置いて高さを出し、大きな鉢でも直置きはせず、スツールやイケアの鉢台などで高さを調整しています」
文庫本は奥に高さを出した2列収納ですっきり
リビングでひときわ目を引く壁一面の本棚。文庫本は前後2列に並べ、奥の列は岡本さんが手作りしたコの字台で底上げ。
「背表紙が見えるので探すのが断然ラクに」
本棚の見せたくない一角は次女の版画作品でカバー
本棚に立てかけているタツノオトシゴの版画は美術が好きな次女の作品。
下段に収納している捨ててはいけないWi-Fiルーターの空き箱や仕事の資料の目隠し代わりに。

