師走も中盤。もうすぐクリスマスである。還暦を過ぎたワタシ(中村修治)に、サンタクロースは来ない。サンタに扮すべき相手もいない。そんな味気ない聖夜を迎えそうなので、自発的に“サンタクロースが宇宙人だったら!?”をリアルに考察してみた。クリスマスプレゼントだ!!余計なお世話だとは思うが、受け取ってくれ…。
そもそも宇宙人はいるのか!?
2008年、NASAの創立50周年記念シンポジウムでスティーブン・ホーキング博士は、生命存在の質問に対して「非知的生命なら存在するだろう」と答えた。「地球で起きたことが宇宙でも起きる可能性は高い」というわけだ。
その後の観測で、状況はさらに変わった。銀河は“数千万個”どころか、現在では2兆個以上と言われる。ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)によって、“生命がいそうな惑星候補”は次々と増えている。惑星を持つ恒星は半分以上。もはや「生命がいないほうが不自然」というのが科学の常識となっている。宇宙に生命がいる確率は、ほぼ100%だ。
そんでもって宇宙人と遭遇できる確率は!?
では「知的生命体」はどうか?ここで登場するのが、1961年にアメリカの天文学者フランク・ドレイクが発表した“ドレイク方程式”である。
N=R*×fp×ne×fl×fi×fc×L
N:我々の銀河系に存在する地球外文明の数(個)
↓
R*:銀河系で誕生する恒星の1年当たりの平均の数(個)
fp:それらの恒星が惑星系を持つ確率
ne:その惑星系内で生命体が発生・進化しうる星の数(個)
fl:その惑星で生命が発生・進化する確率
fi:その生命体が知的生命体にまで進化する確率
fc:その生命体が他の異星文明に対してコンタクトをとりうるほどの高度な技術を発達させる確率
L:その高度な技術文明がどれほど長続きするかの平均寿命(年)
このうち方程式の核心は、最後の L=文明がどれほど長続きするか!?にある。
2025年現在の科学者たちは、このLを楽観視しない。気候危機、核兵器、AIガバナンス、資源争奪──。文明が1000年続くかどうか以前に、「100年後の存続すら不透明」と考える学者も多い。
知的生命体に遭遇する戦略人類の文明を長持ちさせること。
地球は誕生して46億年。だが私たちが高度な技術文明を持ってから、まだ100年しか経っていない。文明の寿命が100年なのか1000年なのかで、宇宙のどこかにいる知的生命体に出会う確率は、ゼロにも数十にも跳ね上がる。
エネルギー、紛争、分断、AIの暴走。
それらはすべて“文明の寿命を縮める要因”である。
つまり地球の内輪揉めを続けている限り、宇宙人には一生出会えないということだ。
知的生命体に遭遇する戦略人類が「時間との戦い」に勝つこと。
銀河系の幅は10万光年。今、私たちが見ている遠方の星の光は、人類誕生前に放たれたものだ。別の知的生命体がいても、光速の壁が通信も往来も許さない。つまり「時間」こそが最大の敵なのだ。
時間を味方につける文明だけが、宇宙の隣人に出会える。
戦争をしない。地球を壊さない。
科学を止めない。想像力を失わない。
そうした積み重ねの先に“時間を超える文明”が生まれる。