◆◆人生の絶頂期にガン宣告。「投資の世界に恩返しをしたい」


ぼすにぃ:そうですね。トレードも安定してきて、お金の心配もなくなった。これからようやく良い人生が始まるのかなと思っていた矢先、2024年に受けた人間ドックで、悪性リンパ腫が見つかったんです。
――がんですか!?
ぼすにぃ:はい、血液のガンです。ステージ3まで進んでいました。
その年の8月から12月いっぱいまで抗がん剤治療を受け、幸いなことに2025年の1月には寛解(症状が落ち着いて安定した状態)と診断されました。今は3か月に1回検査を受けていて、5年間何もなければ完全寛解です。
――壮絶なご経験ですね。闘病生活を経て、心境に変化はありましたか?
ぼすにぃ:人生観が完全に変わりましたね。欲しいものが何一つなくなりました。ブランド品とか高級車とか、そういう物欲が一切消えて、それよりも人と楽しく過ごしたい、という気持ちが強くなりましたね。
闘病中はやはり気分が沈むのですが、同じようにトレードをやっている仲間と話すと、すごく気が楽になったんです。その経験から、病気が治ったら、投資家たちが集まって気兼ねなく話せるようなお店をやりたいな、と考えるようになりました。
私がトレードを始めた2000年頃は、投資だけで生活していると言うと、なかには初対面で「いくら持ってるんですか?」と聞いてくるような人もいました。
でも今はFIRE(Financial Independence, Retire Earlyの頭文字で、「経済的自立と早期退職」の意味)が認知され、新NISAの普及などもあって、投資がもっと身近になり、健全に情報交換できる仲間が増えてきたと感じています。そういう人たちと、トレードの話や趣味の話で盛り上がれる場所を作りたいと思って、渋谷に投資家が交流できるBARをオープンしました。

ぼすにぃ: そうですね。せっかく生き残ったのだから、何か社会に、そして自分が稼がせてもらった投資業界に恩返しがしたい。投資家というものが、一つの職業としてもっと認められるように、地位向上にも貢献していきたいと考えています。
◆◆投資は後悔の連続。成功の秘訣は「後悔を減らすこと」
――これから投資を始める人たちに伝えたいことはありますか?ぼすにぃ:「簡単に儲かることはない」ということです。多くの人が間違ったやり方で勉強しています。
例えば、20年前に書かれた本の手法を今も使っていたり、ゴールデンクロスやRSIといったテクニカル指標を鵜呑みにしたり。それだけで簡単に勝てる世界ではありません。相場は常に変化していますから。
――では、どうすればいいのでしょうか。
ぼすにぃ:歴史は繰り返されるので、過去から学ぶことは非常に重要です。ただ、手法を本当に自分のものにするには、少なくとも3年はかかると思います。
大統領選挙は4年に1回ですし、FOMCは年に8回あります。そういったサイクルを一通り経験し、自分で検証を重ねていかないと、本当の意味で相場を理解することはできません。
私の失敗談を伝えることで、皆さんが同じ失敗をせず、損失を少しでも減らす手助けができればと思っています。
――最後に、ぼすにぃさんが考える「投資で成功する秘訣」を教えてください。
ぼすにぃ:投資というのは、後悔しかないんですよ。負けた時はもちろん、「もっと早く損切りしておけばよかった」と後悔しますが、勝っても「もっと持っていれば、さらに利益が伸びたのに」と後悔するんです。
勝っても後悔するし、負けても後悔する。それが投資なんです。
ただ不思議なもので、勝った時の記憶はあまり残っていませんが、負けた時の悔しさはずっと覚えているものです。投資は、常に後悔がつきまう「後悔の連続」です。
だからこそ、トレードで成功する秘訣は、その「後悔の度合い」をいかに少なくするか、だと私は考えています。完璧なトレードはありえません。一つひとつの取引の後悔をできるだけ小さくしていく。その積み重ねが、長期的な成功につながるのだと思います。
【プロフィール】ぼすにぃ
個人投資家。大学生のときから株式投資を始め、投資歴は25年。毎日16時間、チャートを追い続けている株式、FX、225、ダウ、ナスダックなどの先物、ゴールド、シルバー、WTIなどのCFD、ビットコインなど暗号資産のトレードをする。1日の最高利益は1億8000万円で、現在は資産8億円以上を有する。
2024年、ステージ3のガンが見つかる。ガン宣告を受け死生観が変わり、「投資業界に恩返しをしたい」と、投資家が集まる投資BARを渋谷にオープンした。
Xのアカウントは@supertradercfd
<取材・文/横山 薫(扶桑社)>

