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「この遺言書、本人が書いたの?」疑われる有効性…“自筆証書遺言”が招きやすい相続トラブル

「この遺言書、本人が書いたの?」疑われる有効性…“自筆証書遺言”が招きやすい相続トラブル

どちらを選ぶ?公正証書遺言と自筆証書遺言の違い

実務で使われる「遺言」は2種類

遺言には法律上7種類の方式がありますが、実務で多く利用されるのは「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の二つです。

自筆証書遺言は、その名の通り全文を自分で手書きし、日付と署名押印をして作成します。費用がかからず、自宅で思い立ったときに作れる手軽さが魅力です。
 

[図表2]公正証書遺言と自筆証書遺言の違い


近年は法務局の保管制度も始まり、保管の安全性は向上しました。ただし、法務局保管制度を使用しない場合、書式の不備で無効になる危険や、家庭裁判所での「検認」が必要なため、相続開始後に手続きの負担が増える場合があります。また、遺言書の紛失や隠匿のリスクも残ります。

一方、公正証書遺言は公証役場で公証人が作成し、原本を公証役場に保管します。家庭裁判所の検認が不要で、書式の不備がなく、紛失や改ざんの心配がありません。作成には公証人と二人の証人が立ち会い、本人確認や意思確認が記録として残るため、「誰にも強要されずに作成された」という一定の証明にもなります。

費用は財産額や内容によって数万〜十数万円程度かかる場合もありますが、確実性と信頼性は非常に高い方法です。

「家族が納得しやすいか」を基準に選ぶ

遺言の仕方の選択は、費用や作成の手間だけでなく、「残された家族が納得しやすいか」という視点も大切です。遺言はただ単に財産の分配指示書というだけでなく、家族に残す最後のメッセージです。家族関係や相続財産の状況、将来のトラブルの可能性を踏まえ、信頼性と安心感のバランスを考えて選択することが、円満な相続へつながります。
 

[図表3]遺言の7つの種類

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