噺のなかに江戸時代の上方文化がギュッと凝縮

上方唄松浪流 家元、松浪千壽(まつなみ せんじゅ)さんと吉坊さんの対談、上方唄にうっとりしたあと、仲入り(=休憩)。お客さんたちはワイワイ楽しそうな雰囲気。まさにあったまってる状況。

そんななか、二席目は「稽古屋」。ここで登場したのが、上方落語でしか見かけない小さな机「見台」とその前に置かれた衝立「膝隠し」。見台には「小拍子」も置かれています(写真では、格子の間からの覗いているシーンの小道具としても活躍!)。
上方落語特有とはいえ、必ずしもどの演目でも登場するというわけではなく、音を出すのが主な目的だそうです。ちなみに、机のようなものは講談でも登場しますが、釈台といって、形などが違います。

落語には、江戸時代のさまざまな文化や芸能が詰まっています。「稽古屋」はモテたいがためにひとつぐらい芸事を身につけたいと稽古に行く男の話なので、お師匠さんの三味線の所作や唄なんかも習得せねばならないことになります。吉坊さんはさまざまな古典芸能に通じていて、日本舞踊などのお稽古もされているそうです。

兵庫県西宮市で生まれ、中学生で落語に出会い、どハマりした吉坊さん。高校へも行きたくなかったそうですが、たまたま新聞で見かけた芸能文化科のある府立高校に進学。学校が終わったら落語を聞いて回っているうちにいつしか顔を覚えられ、楽屋に出入りするようになり、休みに稽古をつけてもらえるように。高校卒業前には、桂吉朝師匠に入門し、3月には初舞台を踏みます。
そんな吉坊さんに、上方落語の魅力を聞いてみると、ちょっと困り顔。「ラジオで米朝師匠の落語聞いて、単純にめっちゃ面白かったんですよね」。つまり、ちょっとでも興味があったら、聞いてみればいいということなのかもしれません。吉坊さんは、大阪だけでなく東京でも落語会を開催しているので、ぜひ足を運んでみてください!
舞台写真撮影:佐藤 浩

