昨年と同じ金額で寄付、はNG
ふるさと納税の駆け込み寄付は、例年12月に入ってから発生します。12月にボーナスが出るとおおよその年収が確定し、所得から差し引ける各種控除の額も目途が立つので、「自分にとっての寄付金控除の上限額」の目安を算出できるからでしょう。
「寄付をやり過ぎてしまう」落とし穴にハマりやすいのは、次の3つに該当したときです。
- 今年の収入を多めに見積もる
- 所得控除額を少なく見積もる
- 寄付額を昨年と同額とする
収入を多く見積もると住民税額は多くなります(寄附金控除の上限が多くなる)。反対に、控除額とは「所得から引けるもの」なので、少なく見積もると、やはり、住民税額は多くなりますね。
本来より多めの住民税額から寄附金控除額の上限を算出すると、「寄附のやり過ぎ」になってしまうわけです。
また、多くの人は、「昨年並みの収入」と「昨年と同じ所得控除を受ける」として寄附金控除額を試算してしまいがちですが、それはやや危険。
収入や所得控除額に変化があるかもしれないので、「今年の収入」と「所得控除」をあらためて確認しましょう。
「寄付のやり過ぎ」につながるケースをまとめてみました。
「寄付のやり過ぎ落とし穴」にハマるのはこんなケース
【収入の見込み】
□残業代や営業手当などにより月給に変動がよくある
□今年のボーナスは昨年よりも少なくなりそう
【ヒトの控除】
□今年、子どもが高校生、大学生になった(扶養控除が増える)
□今年、親を扶養に入れた
□妻が出産、産休・育休で給与が出ていないので配偶者控除を受ける
【医療費控除】
□医療費が10万円を超えそうなので、来年3月の確定申告で医療費控除を受けるつもり
□不妊治療費・出産費用で医療費控除を受けるつもり
【iDeCoやDCのマッチング拠出の掛金控除】
□iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金を増額した
□勤務先のDC(確定拠出年金)のマッチング拠出の掛金を増額した
【社会保険料控除】
□今年、家族の国民年金保険料を支払ったので社会保険料控除が増える
【住宅ローン控除】
□今年、マイホームを購入して住宅ローン控除を受ける予定
中でも、医療費控除には注意。12月に駆け込みでふるさと納税をした後に、急な入院などで医療費がかさむ可能性はゼロではありません。
私事ですが、数年前、治療済みの前歯のインプラントが突然、取れてしまい、慌ててかかりつけの歯科医院に駆け込んだところ、再度治療が必要となり、治療費は30万円程度かかることになりました。それは11月の末のこと。
ふるさと納税の駆け込み寄付をする前だったのでセーフでしたが、治療費が12月末の支払いなら、医療費控除の金額は大幅に増え、「寄付のやり過ぎ」になっていたかもしれません。

