◆母親が“元ひきこもり”とバラしてしまい…
そのため、「学生時代のアルバムが見たい!」と言われても失くして行方不明とウソをついてごまかしていた。だが、初めて彼女を自分の両親に紹介した際、あろうことか母親が元ひきこもりであることをうっかり喋ってしまう……。「母親が軽い感じで、私の“ひきこもりの過去”を話してしまったのです。彼女は気にする様子も見せず、そのまま話を受け流していましたが、私はあの瞬間、心臓が止まる思いでした。事前に口止めしていなかったので母を責められませんが、よりによってあのタイミングで知られるなんて……。それ以降、どんな顔をすればいいのかわからず、彼女の顔を直視することができませんでした」
なんとか実家での挨拶を無事に済ませ、彼女を乗せて車で当時住んでいた街に戻ったものの、しばらく沈黙が流れていたとか。
さすがに何か話さなければマズいと思ったが言葉が出ず、搾り出すように「さっき母さんから聞いたと思うけど、中学高校とずっとひきこもっていたんだ。ずっと黙っていてゴメン……」と謝ったそうだ。
◆事実を知って彼女が号泣したワケ

「慌てて車を路肩に停めると、『私のほうこそ何も知らないのに昔のことをしつこく聞き出そうしちゃったから……』と逆に謝られました。私もこれで涙腺が崩壊してしまい、しばらく2人で泣きながら車内で抱き合っていました」
彼が後で彼女から聞いた話によると、鈴木さんの母親から元ひきこもりと聞いた瞬間は驚いたらしいが、悲しそうな表情をした恋人を見て「これは触れちゃマズいやつだ」と空気を読んでスルーしたとのこと。ところが、帰りの車内で今まで黙っていたことを謝ってきたため、彼に辛い思いをさせたことに申し訳ない気持ちになってしまったという。
「実は、社会人になりたての頃、好きだった女性がいたのですが、ある時その子がひきこもりを否定するような発言をしたんです。それが自分にとっては結構なトラウマで、『いくら好きな相手でも絶対に言えない』という気持ちがますます強くなってしまったんです」

