◆ジョギング中に襲撃! 登校中の児童を威嚇

全国の自然豊かな温泉街ではサルの家屋侵入や人身被害が相次ぎ、住民が悲鳴を上げている。
首都圏の代表的温泉地・神奈川県湯河原町では、サルによる家屋浸入や家財損壊、人への威嚇などの生活環境被害が昨年1万854件に達した。
飲食店の主人が嘆く。
「昔は土産物屋の店頭から食べ物を取っていくだけでしたが、今はドアノブを回して家に上がり込み、人がいても堂々と食べ物を盗んでいく。人馴れしたサルは人を怖がらないどころか、完全に人間を舐めてます」
街のメインストリートの鮮魚店で働く女性が最も懸念するのは、人身被害だ。
「つい先日もジョギング中の女性がサルに襲われた。夕方、買い物や散歩に出るときは、護身用にバットを持ち歩く人もいるほどです。うちの前は小学生の通学路ですが、サルは朝夕に動きが活発になるので登校中にもよく出てくるんです。少し前、駅前で子供が襲われてケガをしているし、心配ですね」
◆糞尿攻撃で復讐!? 進化系サルの恐怖!

一方で、サルによる経済被害も想像以上に深刻だ。ビアバーの店主は憤る。
「夏に網戸を器用に開けるサルに何度か家に入られ、30万円かけて頑丈なサッシにしたのにすぐに壊された。屋根に上ったサルに瓦やテレビのアンテナを壊された家は数えきれない。それに、クルマにも乗っかってくるので、ボンネットや屋根は傷だらけ。板金修理に40万円もかかった」
傍から見れば、サルのいたずら程度に思えても、経済的ダメージは大きい。飲食店や旅館となれば、損害はさらに大きくなる。別の飲食店経営者は、こう溜め息をついた。
「サルが侵入した飲食店は、食品衛生法で消毒を義務づけられている。作業でその日の売り上げは飛ぶし、消毒費用もバカにならない。露天風呂に大便をされた旅館は、湯を全部入れ替え、消毒したりで、その間、風呂は利用できないので大損害。最近、クマのニュースばかりだけど、サルのほうがよっぽど厄介だよ」
さらに“知恵のあるサル”ならではの被害を受けることもある。土産物店の経営者が話す。
「サルに侵入された中華料理店の店主が、棒を振り回して追い払ったら、翌日、同じサルが店内の至るところに糞尿をブチまけて復讐していったんです。そのせいか不明ですが、ほどなく閉店しました」

