原種シクラメンが映える庭デザイン例

秋冬に空くスペースをおしゃれに埋めるという発想で取り入れると、庭が一段と美しくなります。落葉樹の株元にシクラメン・ヘデリフォリウムをかたまりで植えます。開花期は地面から湧き上がるような躍動感が庭に演出できます。
落葉期は光が差し込み、春〜夏は木陰ができるため、夏の休眠を守り、冬に見どころを作る理想の植栽位置です。冬の庭が「沈黙」ではなく「静かな賑わい」を感じられるエリアに。

八重咲きクリスマスローズの株元に、かわいいピンクの原種シクラメン・コウムを寄り添うように配置。冬の主役、クリスマスローズと、地面を彩るシクラメン、それぞれが役割をこなし立体的な景観を生み出しています。“背の高い植物の足元にポイントカラーを置くこと”で、冬〜早春の地際の寂しさをなくすテクニック。

テラコッタ鉢に植えた原種シクラメンを、地植えの庭に置いてなじませるスタイル。鉢の縁に近い位置で花を咲かせる性質と相性がよく、庭のどの角度からでも存在感があります。鉢なら季節に合わせて移動ができるので、日照条件の調整もしやすく初心者向き。また、花期を迎える場所に“旬の色”を連れて来られるのも利点です。
原種シクラメン栽培まとめ & チェックリスト

- 夏は断水で休眠させる
- 風通しのよい半日陰
- 浅植えで球根を呼吸させる
- 庭植えは落葉樹の下が理想
原種シクラメンは、放任でも毎年かわいい花を咲かせてくれる、頼もしい存在です。
ぜひ冬の庭に迎えてみませんか?
おもだに・ひとみ/鳥取県米子市で夫が院長を務める面谷内科・循環器内科クリニックの庭づくりを行う。一年中美しい風景を楽しんでもらうために、日々庭を丹精する。花を咲き継がせるテクニックが満載の『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(KADOKAWA)が好評発売中!
まとめ・写真 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!
