◆上司の機転で「冤罪」が証明
――どこで潮目が変わるのでしょう。250番:警察に対して身分証を見せて、「明らかに逃げも隠れもしないから、会社に行かせてほしい」と言ったのですが、無理でした。そこで、会社の上司にテレビ電話を繋いで。その方は山中裕さんという人で、東京大学経済学部を総代で卒業した人で、のちにコロンビア大学大学院で金融工学修士号を取得する投資家です。HOYAという企業の創業家の人で、知識欲が旺盛なんです。もちろん法律に関する知識もあって、警察に対して「あなたたち警察手帳見せてくださいよ。この拘束は不当じゃないですか?」と理性的に対応してくれました。何より、私は山中さんが1ミリも自分を疑わないで味方になってくれたことが嬉しかったです。
ちょうどその頃、相手女性の話を聞いていた刑事から無線が入ったようで、どうやら私が痴漢をしていないということが伝わったようでした。
――失礼な話ですね。
250番:刑事が私のところにきて、「女性が『足を蹴られた』って言っているみたいなんだけど……」とちょっと歯切れが悪いんですよね。いつの間にか、痴漢じゃなくて蹴ったかどうかになっている。先ほども申し上げたように、降りる直前に足が当たったような感覚はありました。でも故意ではありません。何より問題がすり替わっているので、私は刑事に「痴漢の冤罪であることが証明されましたよね?」と言いました。刑事は「痴漢だと言えば、助けてくれると思ったんじゃないの」と女性を擁護するともとれる発言をしていて、それは動画にも収めました。一方で、私が痴漢ではないことは理解したようです。
◆駅員に謝罪を求めるも、取り付くしまもなく…
――どのくらいの時間、拘束されたのでしょうか。250番:およそ40分くらいでしょうか。
――その後は、何をされましたか。
250番:私を蔑むように見てきて、高圧的だった駅員のもとに行きました。名前も覚えていましたから。「私、冤罪だということが証明されたのですが、あなた私に暴行しましたよね?」と動画を回しながら話しかけました。すると、「撮らないで、あっち行って」と謝罪や反省もありません。率直に、ナメてるなと思いました。そこで、11月5日に、女性とJRに対して被害届を出すことになりました。
――駅員さんの対応が250番さんの被害感情をさらに掻き立てたということですね。
250番:そうですね。時間軸は前後しますが、私は事件当日の10月29日に電話で謝罪を求めました。しかし連絡はなく、11月1日に直接行きました。そこでも埒が明かず、11月4日に非通知で着信がありましたが拒否設定になっているので取れず、留守電のメッセージを聞きました。そのメッセージに残されていた電話主の名前を頼りに、同日に駅員さんがいる部屋を訪ねましたが、若手職員に「◯◯なんていないよ?」とタメ口で対応されて、さらに気分を悪くしました。結局、いないとされていた担当者は実はいて、対面で話をすることができましたが。
――駅員さんのお考えはどのようなものでしたか。
250番:「すぐに謝罪しなかったことを謝罪する」という内容だったと思います。ただ、私に対して職員が暴行を働いたことを直接謝罪されることはなく、非常に悲しい気分になると同時に憤りを覚えました。

