
花の中をじっくり観察したことはありますか? 花は基本的には花弁(花びら)、ガク、雄しべ、雌しべといった器官からなり、その形や数は花の種類によって異なります。今回は「雄しべ」に注目してみました。この写真に写っている、中心部の雌しべを囲むように伸びている多数の雄しべは、どの花のものでしょうか?
雄しべとは?
雄しべとは、被子植物の花の一部で、花弁の内側にある雄性生殖器官。花粉を作る部分です。
雄しべには葯(やく、花粉の入った袋)と花糸(かし、葯を支える棒状の部分)があり、葯の中で花粉が作られ、時期がくると葯が破れて中の花粉が外に飛び出し、風や虫によって運ばれて雌しべの先端にある「柱頭」につくことで受粉します。

こちらの雄しべ、何の花のものか分かりますか? 中心部に固まった雌しべを囲むように多数の雄しべが伸びています。
ヒント:
冬から春にかけて開花する、ビビッドな色が特徴の多年草の球根花。
正解は・・・
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アネモネ

アネモネの基本データ
学名:Anemone coronaria
科名:キンポウゲ科
属名:アネモネ属
和名:牡丹一華(ボタンイチゲ)、紅花翁草(ベニバナオキナグサ)
英名:Anemone、Windflower
形態:多年草
原産地:地中海沿岸
開花期:2〜5月
草丈: 15~50cm程度
花色:赤、ピンク、黄、白、青、紫、複色
耐寒性:強い
耐暑性:弱い
切り花の出回り時期:11~4月
冬から春にかけて、赤や青、紫色などの鮮やかな花をつける多年草、アネモネ。開花期が2~5月と比較的長く、耐寒性が強くて初心者でも育てやすいことから、とても人気があります。日当たり、水はけ、風通しのよい場所できちんと管理すれば、何年も咲き続けてくれます。
もともとは一重咲きの品種が多かったアネモネですが、品種改良によって、八重咲きや八重咲きの一種、キク咲きの品種が登場。花のサイズも、大輪から小輪まで揃います。
花びらのように見えているのは、じつはガク。アネモネの花びら(花弁)は退化してしまっています。
育てるときは、秋に植える球根か、春に店頭に並ぶ花苗から。植え付け適期は10~11月です。花が少ない季節にも彩りを添えてくれるアネモネ、ぜひ育ててみませんか?

