【きっかけ5】意図せず人に嫌な思いをさせてしまったとき
罪悪感とは、自分を悪い、罪な存在であると認識すること。まさに、自己嫌悪そのものです。
罪悪感は、「相手に悪いことをしてしまった」と認識した瞬間に起きます。悪気はなかったのに、自分の起こした言動で相手に嫌な思いをさせる。こんなことは日常的にいくらでも発生します。
しかし、たいていの人は、軽く謝って流すか、あるいは自覚すらしないことがほとん
ど。本当の「罪」は、本人が自覚もせず、悪いとも思わず、周囲を傷つけるようなことです。だから罪悪感を抱きやすい人は、本来は何も悪いことはないのです。
しかし、自己嫌悪に陥りやすい人は「相手に悪いことをした」という思いだけが積み重なり、心の中の「自分」をかなり罪深い存在にしてしまっています。
結果として、そんな自分が好きになれず、自己嫌悪に悩まされてしまうのです。
自己嫌悪する人・しない人、何が違う?
では、自己嫌悪する人としない人の違いは、どこにあるのでしょうか?
それは、「現在」「過去」「未来」のどの時期を中心に考えているかの違いだと思います。どの時期を中心に考えるかは人によって異なります。考え方のクセがあるのです。
例えば「過去」を考えるクセのある人は、「あんなことをしなければよかった」という「後悔」について考えています。この「後悔」は、現在の自分への批判です。
「未来」について考えるクセのある人は、まだ起きてもいない悪いことを想像して「不安」になりやすい。だから自分が嫌になってしまうのです。
一方、「現在」のことを考える人は、「現在」を生きています。自分で今やれることを考え、今の瞬間に起きていることを楽しもうとします。
過去の失敗から何かを学ぼうとしますし、「未来」のことも、キリがないのであまり考えません。起きる可能性のあることなら、「現在何を対策すればいいか」ということに落と
し込みます。
自分の人生を生きている感覚があるからこそ、自己嫌悪になる暇がないのです。
次回は、私に寄せられたお悩み相談の中から、50代女性にも多い「2つの自己嫌悪パターン」をピックアップして、心を軽くするための対策を解説していきます。

