骨盤底筋を鍛えるポイントは「締めて」「緩めて」
筋肉は裏切りません。そして骨盤底筋も筋肉なので、何歳からでも鍛えることができます。骨盤底筋も、年齢とともに衰えてきてしまうというのは仕方のないことですが、「締める」「緩める」を繰り返していると、しっかりと応えてくれるのです。逆に何もしないでそのまま放っておくと、ますます衰えていってしまいます。
それではどのように鍛えるかですが、「筋肉を鍛える」と言うとみなさんいわゆる筋トレのようにガンガン鍛えるイメージがあると思うのですが、実は筋肉には弾力が大切なのです。どれだけ縮められてどれだけ緩められるかっていうのが弾力なので、そのためにはただ、固く引き締めようとがんばっていてもあまり効果はないのです。「締める」ことと「緩める」こと、その両方が大事なのです。
みなさん、骨盤底筋を鍛えようとすると感覚がつかめず、お尻全体を締めてしまうことが多いようです。筋肉の量もお尻の方が多いので、どうしてもそちらに力が入ってしまうのですね。本来は尿道、膣、肛門の順で骨盤底筋を引き締めるのですが。
ただ、お尻に力が入っている姿勢だと、恥骨が前に押し出されたような形になってしまって、その状態だとむしろ老化したときの姿勢に近くなってしまいます。
実は日本人の場合、年をとると恥骨が前に出てくることが多く、その結果、気付かないうちに“がに股”のような姿勢になってしまうことが多いのです。ですから骨盤底筋をトレーニングするときは、どこに力を入れるのかをしっかり意識して行うことが大事です。

運動はハードなものでなくてもOK!

私が骨盤の調整や骨盤底筋を鍛えることの重要さに気付いたのは、20代の頃からフィットネスのトレーナーとして活動してきた経験からでした。米国西海岸からブームが始まったエクササイズは激しい運動を華やかに行うもの。一生懸命にやっている方ほど、けがや疲労を訴えることに疑問を感じました。
体に故障を生じる原因のほとんどが運動のやり過ぎで、もっとその人に合った体力や運動経験を考慮するべきだったのです。そこで痛めた体を改善しようと指導者でさえ「整体」に通うようになるのです。そこでその整体の考え方をベースに、日本人の体に合った自分で行える体操を考案したのが「ぺルヴィス(R)(骨盤)ワーク」です。
老化は自然なことで、そを止めることができません。ただ骨格の要である骨盤を整え、体幹と共に土台を支える骨盤底筋を鍛えることでうまく加齢と付き合い、美しい姿勢と健康を手に入れることができると思います。
次回は実際に自宅でできる具体的な骨盤底筋の体操についてご紹介させていただきます。楽しみにしていてくださいね。
取材・文=濱田麻美、構成=流石紋加、撮影=為広麻里
※HALMEK upの人気記事を再編集したものです。

