◆絶えず監視されている気が…
橋本さんはそれらの閉鎖的ルールと対人関係がストレスとなり、旦那さんともよく喧嘩になったという。「都会で暮らしているときは喧嘩なんてほとんどなかったんです。でも旦那の両親が近くで暮らしていて、旦那の職場の人や友達だってそこらにいるんですよ。絶えず監視されている気がして、ストレスは溜まる一方なんですよね」
相談する友人もいないため、ストレスの吐口はSNSだという。
「褒められることはではないんでしょうけど、SNSに田舎の愚痴を書くと共感してくれる人がたくさんいるんです。『私も同じです』って言ってもらえると、なぜか頑張れちゃうというか、救われてる自分がいますね。でも町内の誰かにバレたらとんでもないことになりそうです。役員を任されるとか、そんなレベルじゃないですね。もっとひどい嫌がらせを受けそうです」
一年ほどで田舎暮らしに見切りをつけた橋本さんは、今では月の半分を東京の実家で暮らしているという。
「田舎が悪い、とは思いません。でも引っ越す前に必ず調べてほしいですね。私は今のどっちつかずの状況が一番いいと思っています。属するというのは、ある種の病みたいなものなので」
憧れと現実は、少しばかり違うようだ。
<TEXT/山田ぱんつ>

