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「ドットール・ヴラニエス フィレンツェ 表参道」がオープン。調香師・エレオノール・ブルニエ氏が語る、自由でユニークなクリエイションの源は?

「ドットール・ヴラニエス フィレンツェ 表参道」がオープン。調香師・エレオノール・ブルニエ氏が語る、自由でユニークなクリエイションの源は?

日常の中に、インスピレーションの源がある

インスピレーションの源は、日常の中にあるというブルニエ氏。フィレンツェの街並みや風景、光、流れゆく時間……。そこに生まれる感情の繊細なニュアンスを、香りという形で描き出した8つのオードパルファムコレクション“フィレンツェ イン トランスレーション”を、店頭でぜひ手に取ってみては。

ところで、今回の日本への旅を通して、新たなインスピレーションをもたらす出合いはあったのだろうか?

「日本に滞在中、日本の文化に触れ、いろいろな香りや味を体験して楽しんでいます。日本の方は食材への思い出や、感情的なつながりを持つ文化が背景があるように感じます。子ども時代に馴染(なじ)んだ食べ物の香りは、アイデアの源として興味深いですね。フィレンツェのあるトスカーナ地方には、桃の有名な生産地があります。日本も日常にフルーツが浸透している印象。例えば自分の中にある桃を通した経験や味わい、香りを通して、日本とつながれるって興味深くないですか? フィレンツェと日本との橋渡しになるようなフレグランス、それも次の構想として持っているんですよ」

子どもたちのクリエイティビティを育む活動も

ブルニエ氏はまた、子どもたちを対象とした嗅覚ワークショップを開催するなど、香りと創造の世界へ導く活動も行っている。

「ヨーロッパでは、嗅覚などの五感を養う教育プログラムがありません。それはもったいないと思ったんです。香りには心を落ち着かせるリラクゼーション効果があるものも。また、嗅いだときの自分の反応には間違いがない点も、興味深いことです。先ほどの桃を嗅いだとき、甘くてフレッシュな香りという人がいれば、少し酸っぱい香りがするという人もいますよね。それはその人のこれまでの背景や経験、子ども時代の思い出に起因するもので、どれも正解。子どもは、こんなことを言ったらどう思われるだろう、というフィルターがありませんから、ストレートに発言できます。素直な感情の発露を見守り、尊重したい。そのクリエイティビティが、大人になったときの夢の基盤になるのではないかと思うのです。私自身、子どもたちの素直な反応に感化されたことがあります。パフューマーの経験も、これが正解といったものさしで測るものではありません。自由な世界、自由な経験であり、香りや素材から感じる喜びを大切にすることに、正解も間違いもないのです」

配信元: marie claire

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