◆試合日程から考える「メジャー開幕への影響」
先に述べた通り、WBCの開幕は来年3月上旬。侍ジャパンは3月6日の台湾戦を皮切りに、韓国、オーストラリア、チェコと5日間で4試合を行う。2位以内で1次ラウンドを突破することが大前提だが、その後はアメリカに渡り、13日か14日に準々決勝、15日か16日に準決勝、そして17日に決勝と、アメリカ本土では最大3試合を戦う。
もしロバーツ監督の望み通り、大谷がDHに専念することになれば、代表チームに帯同中は大谷が実戦マウンドに上がることはなくなり、ブルペンで肩をつくるしかない。
そうなると、ドジャースが開幕を迎える3月26日頃は、まだ投手として肩が出来上がっていない状態になる。つまり大谷がWBCで実戦登板をしない場合は、投手・大谷のメジャー登板も最大で数週間遅れることを意味する。
ただ、ドジャースとしては、“二刀流”完全復活の可能性も捨てきれないはず。侍ジャパンの首脳陣らと綿密に連携を取りながら、投手・大谷の起用法に関して実質的に“介入”してきてもおかしくないだろう。
◆開幕ローテを睨んだ「理想的なシナリオ」
来春のメジャーのオープン戦は2月23日頃から3月24日にかけての約1か月間。もし大谷が3月下旬の開幕シリーズに万全の状態で先発登板を果たすとすれば、逆算してWBC直後の3月20日のパドレス戦か、21日のアスレチックス戦にオープン戦のラスト登板が最も理想的なシナリオだ。そうなると、さらに逆算して13日か14日に行われる準々決勝での先発登板が濃厚。実は2023年の前回大会でも大谷は準々決勝のイタリア戦に先発し、5回途中2失点、71球を投げていた。

