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「新たな相続人」の発覚に親族唖然…「新事実」判明も珍しくない“相続時の戸籍調査”の実態

「新たな相続人」の発覚に親族唖然…「新事実」判明も珍しくない“相続時の戸籍調査”の実態

預貯金・株式の名義変更と解約手続き

金融機関ごとに異なる必要書類を確認する

相続が発生すると、被相続人の預貯金口座や証券口座はすべて「凍結」され、出金や取引ができなくなります。これは不正な引き出しを防ぎ、正しい相続手続きを行うための措置です。預金の払い戻しや株式の名義変更を行うには、金融機関ごとに相続手続きを進めなければなりません。口座が複数行に分かれている場合は、その数だけ手続きを行う必要があり、相続人にとって大きな負担となります。

[図表4]銀行からの払い戻しを受けるまでの3つのステップ

必要となる書類は金融機関ごとに異なりますが、一般的には次のものが求められます。

『相続の際に金融機関への提出が必要な書類』

・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本

・相続人全員の戸籍謄本及び印鑑証明書

・遺産分割協議書(または遺言書)

・相続手続依頼書(各金融機関の指定様式)

これらが揃っていなければ手続きが進まず、銀行や証券会社から差し戻されることもあります。早い段階で必要書類を確認し、相続人間で共有することが大切です。

株式や投資信託の相続手続きのポイント

株式や投資信託を保有していた場合も、相続による名義変更や解約の手続きが必要です。

証券口座は銀行以上に手続きが煩雑になり、相続人全員の署名捺印や遺産分割協議書の提出が必須になります。上場株式であれば相続後に売却して現金化も可能ですが、現金化をするために相続人が証券口座を開設し、いったん引き継がないと売却ができないのが原則です。

[図表5]有価証券などの場合

注意したいのは、遺言がない限り、相続人の誰かが勝手に口座を解約したり、株式を売却することはできないという点です。すべての相続人が同意した内容に基づいて処理しなければならず、ここでも「全員一致」のルールが貫かれます。

【Q&A】親族間で新事実が発覚した場合の相続方法

Q.父は幼い頃に亡くなったと聞いていましたが、相続の連絡で最近亡くなったことを知り、戸惑っています。

A.どのような経緯であっても、法律上は親子である以上「相続人」として扱われます。相続手続きでは遺産分割協議や名義変更などに相続人全員の関与が必要となるため、遺言がない限り疎遠であっても手続きを避けることはできません。

とはいえ、「相続人になったから必ず財産を受け継がなければならない」というわけではありません。相続には3つの方法があります。

『3種の相続方法』

1.すべてを引き継ぐ「単純承認」

2.借金も含めて一切を受け継がない「相続放棄」

3.プラス財産の範囲内でマイナス財産も引き継ぐ「限定承認」

特に「関わりたくない」「役所からの税金請求の通知で初めて知った」というような場合には、放棄を選ぶ人も少なくありません。限定承認は借金がいくらあるかわからないが、自宅など残したい財産があるというときに使われます。相続人全員で行う必要があり、さらに裁判所での手続きに半年以上かかることもあり、手続きや費用の負担は小さくありません。

相続放棄や限定承認は「相続の開始を知った日」から3か月以内に家庭裁判所で行う必要があります。ただし、この期間内に財産の全容がわからない場合には、家庭裁判所に申立てをして相続放棄手続きの期限を延長してもらうことも可能です。負債や資産の有無がはっきりしないときは、延長の申立ても選択肢として検討すると安心です。

突然の知らせにどうしたらよいかわからないと感じるのは自然なことです。まずは「相続人であること」と「選択肢があること」を押さえておき、そのうえで専門家に相談しながら自分に合った対応を選んでいただければと思います。

廣木涼

司法書士法人アベリア代表

行政書士事務所アベリア代表

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