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介護講師が教える「介助のやり方が違う問題」との向き合い方

介護講師が教える「介助のやり方が違う問題」との向き合い方

「いい介護」ってなんですか?

高橋先生_取材風景3

──さまざまな介護講師の方に伺っているのですが、高橋さんにとって「いい介護」とはどんな介護ですか?

あえて言うなら「安心してもらえる介護」です。

例えば、現場では介助を拒否されるご利用者さまもいらっしゃいますが、それは多くの場合、不安の現れです。しかし、信頼関係を構築して安心していただければ、「あの介護職員にお願いしようかな」と言ってもらえるようになります。

──では、信頼関係を構築するにはどんなことが重要だと思いますか?

コミュニケーションにおける誠実さです。私はどれだけ忙しくても、呼び止められたら必ず足を止めて返事をします。「今この業務中なので、10分待ってくださいね」と伝え、必ず時間どおりに戻る。戻れないなら、ほかの職員に伝言を頼む。そうすれば、ご利用者さまに「忙しくてもあなたのことを忘れていませんよ」という気持ちが伝わるんです。

──ひと言あるかないかでも、受け取り手の気持ちは変わりますよね。

そうなんです。逆に「ちょっと待ってて」と言ったきり戻らないと、不安や怒りからナースコールを押してしまう方が増えてしまいます。信頼関係があれば、万が一小さなミスや事故があっても、誠心誠意対応すれば納得していただけることが多いんです。

辞めるか迷ったときに整理したい3つのこと

──信頼関係が大切だとわかっていても、関係の構築に難しさを感じる職員もいると思います。

多くの場合、それは職員が悪いのではなく、環境に起因すると思います。私も先輩から「早く早く」と言われて、何もかも急がなければならない施設を経験したことがあります。

そうなると、食事介助では口を開けてもらえなかったり、移動介助で動こうとしなかったり、ご利用者さまも抵抗を示します。そんな状態が続けば、誰だって心が折れてしまいますし、この仕事を続けていく気力も奪われてしまいますよね。

──そういった環境に置かれたらどう脱却すればいいのでしょうか?

辞めて環境を変えてみてはどうでしょう? でもさまざまな事情で簡単には辞められない方もいますよね……。もし退職の決断ができない場合、3つのことを整理してみてください

  • 今ある環境で学べることは何か
  • 今の環境で大変なことは何か
  • 自分にとって嫌だと思うことは何か

これらを整理すると、自分のやりたいことが見えてくると思います。やりたいことが見つかると、次に進むきっかけに出会いやすくなりますし、前向きな言葉が出やすくなりますよ。

ただし、いじめやパワハラを受けている場合は、自分の心が疲弊する前に辞めてください。自分の心を殺してまで頑張る必要はありません。そういったことに耐える努力ではなく、自分のやりたいことに向かって努力してほしいと思います。

──最後に、読者の介護職へメッセージをお願いします。

私の座右の銘は「介護に勇気と希望を」です。勇気と希望は、実は表裏一体で紙一重だと思っています。勇気がないと希望は見えませんし、希望がないと勇気は持てませんから。

ご家族やご利用者さまに勇気と希望を届ける私たちが、まずは笑顔でいられるように。自分を大切にしながら、目の前の人と向き合ってください。

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