◆ホストになってから「30キロ減量した」

朝陽湊:簡単に言うと、ホワイトカラーの建前文化と逆の本音文化だからだと思います。人間の欲望を露骨に出すことさえ厭わないし、ある意味で野生的な欲求に従順といいますか。それが魅力的だったんですよね。7月から現在のお店で働いているのですが、ピーク時と比べて30キロの減量に成功しました。さまざまな建前を駆使しても、ホストの世界はルッキズムだと私は思っているので。
――減量だけでもすごいですが、美容整形にもチャレンジなさったとか。かなりのお金がかかりましたか。
朝陽湊:そうですね。二重まぶたにして、鼻と顎とほうれい線にヒアルロン酸を注射しました。トータルで40万円ほどでしょうか。ホストとしての月収はまだ手取り10万円ほどなので、美容ローンを使って月賦で払ってます。
――もっと儲かるものかと思っていました……!
朝陽湊:もちろん、売れっ子になれば青天井だと思いますが、私のレベルではそんなものです。なので、昼は配達員などをして、祖母と一緒に暮らして生活費を浮かせながらなんとかやっています。正直、親が間接的に負担してくれる費用も多いので、甘えた人間の部類です。
◆美容整形は受験勉強に近い?
――それでも美容整形までして、努力を惜しまないのはすごいですね。なぜそこまで頑張るのでしょう?朝陽湊:美容整形は、売れているホストの方からアドバイスをいただきました。成功している人の言うことは素直にやってみようと思ったんです。それから、美容整形は成熟した領域で、きちんと似たような結果が得られる点も興味深いと思いました。よく年配の方が「整形している人間の顔はどれも同じ」と言いますが、それは裏返すと「再現性が高い」ということです。ダイエットをして痩せて、美容整形をすれば、すくなくとも一定の水準にはいけるんです。これは、むしろ受験勉強に近いんです。
――夜職の方たちの努力と受験勉強を似ていると考えたことがありませんでした!
朝陽湊:さらに言うと、受験勉強は公平性を謳っていますが、実際には地頭とか世帯年収、家庭環境などによって個人のスタートラインは違います。ルックスも同様で、実際にはもともとの骨格や体質などがあるから、どれだけダイエットや美容整形をしても、限界はあります。でも大切なことは、努力をする前に比べれば、確実にその結果がわかるということです。
――近年、ルッキズムはタブー視されていませんか。
朝陽湊:そのことは私も存じ上げています。ホストクラブに来店される方のなかには、風俗嬢などをはじめとする夜職の方が多いのですが、彼女たちを見ていると、ルッキズムに傾くのがとても理解できます。簡単に言えば、ルックスに無頓着な人間は、「努力を怠っている」ように見えているのだと思います。なぜなら、自分が努力をすることで思った以上に外見が変わったことを経験しているからなんですね。それはちょうど、勉強して高い偏差値を得たインテリが、学力の低い人を「怠け者」と見下すことがあるのと、よく似ています。

