壮絶なイジメを経験した「184センチ120キロ」の早稲田卒男性が歌舞伎町でホストになるまで

壮絶なイジメを経験した「184センチ120キロ」の早稲田卒男性が歌舞伎町でホストになるまで

◆ホストを批判する人たちに思うこと

朝陽湊さん
夜の世界の最前線にいるからこそ、世論との乖離を感じることも
――ルックス至上主義者と学歴至上主義者の関連がこんなところにもあるんですね。相容れないと思っていました(笑)。

朝陽湊:相容れない存在だとは思いますよ。ただ、同根だとは思います。さらにいえば、ホストクラブを“悪しきもの”として批判するNPO法人や政党などがあると思うのですが、一度でいいから実際の営業をみてほしいなと思っています。ホストクラブに来る風俗嬢のお客様は、あくまで私の目からみるとですが、コミュニケーションが受け身だったりして、周囲に友人が多いとはいえないタイプが多いです。つまり、孤独感を抱えている。

「ホストクラブがそうした人を食い物にしている」と批判することは簡単だけれども、じゃあ孤独感を抱えた女性がNPO法人がやっているシェルターみたいなところを頼る人ばかりかといえば、そうではないわけです。それは、存在を知らないのではなく、保護されたくないと思っているわけじゃないですか。NPO法人が「ルッキズムを否定する」というメタな視点でいると、女性は駆け込まないので、ルッキズムを内面化していく必要もあるのかなと。

――孤独感を抱える女性が、ホストクラブに居場所を見出しているということですね。では、NPO法人につながろうと思うためには、どうしたらいいと思われますか。

朝陽湊:やはり見ていても、夜職のお客様はホストが好きなんですよね。それは、ホストがルックスを磨く努力をしていて、お客様も人に見られる職業だから、似た努力を経験していることが大きいと思います。たとえば、NPO法人のなかに、ホストばりにルックスを磨いてシェルターに誘導するようなチームがあったら、「行ってみようかな」という女性も出てくるのではないでしょうか。当事者ではない私が発言すべきかはわかりませんが、ホストクラブとNPO法人は対立関係になるよりは、連携したほうが多くの人にとっていいのではないか、と思うこともあります。

◆いずれ社会学者になってみたい

――朝陽さんの今後の目標について聞かせてください。

朝陽湊:私はさまざまなことを社会的事象に結びつけて考えるのが好きなので、大学院に行って、ホストの内部を知る人間として社会学者になるのもいいなと思っています。実践者であり観察者でもある、という人はまだいないと思うんですよ。

 精神的に深く落ち込み、人生が絶望的であった自分も、諦めることがなかったから今こうしてホストをやらせてもらえています。夜の歌舞伎町にはさまざまな思いや過去を背負った人が行き交いますが、多くの女性の時間を彩ることのできて、かつ自分らしい接客ができるようになりたいですね。

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 朝陽さんは明晰で鋭く、さまざまな角度から考察することのできる男性だ。どんな質問にも正面から応えようとする誠実さも光る。決してホストらしいホストではないが、思考し続けるホストとして、これから道に迷った多くの女性に対して温かな言葉を紡いでいくことだろう。

<取材・文/黒島暁生>

【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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