2025年は英国王室にとって波乱の年だった。国賓訪問や王室の公務の合間に、チャールズ3世とその愛する家族はいくつかの困難に直面した。バッキンガム宮殿という象徴のもとにある王室メンバーのこの1年のハイライトを振り返ってみよう。
2025年に英国王室で起こった出来事のすべて
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2025年12月5日(現地時間、以下同じ)、キャサリン皇太子妃とその家族は、ウェストミンスター寺院で行われた恒例のクリスマスコンサートに出席した。英国王室にとって個人的にも公的な面でもいろいろなことが起きた2025年を締めくくる印象的な瞬間のひとつだった。2025年、どんなことが起きたのだろうか?
2025年1月1日:メーガン妃、インスタグラムに復帰
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英国王室入りを機に個人アカウントを削除した(2018年前後とみられる)メーガン妃が復帰を決めた。ヘンリー王子の妻は、新しいアカウントに、ビーチを走り、砂浜に「2025」と書く姿を撮影した動画を投稿し、このコンテンツ共有プラットフォームとのつながりを再開した。これで方向性が決まった。サセックス公爵夫人ことメーガン妃はもう隠れるつもりはない。彼女はNetflixの番組『ウィズ・ラブ、メーガン』や自身のライフスタイルブランドAs everを宣伝するために、このネットワークを活用している。
2025年1月14日:キャサリン皇太子妃ががん寛解を発表
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2025年は英国王室にとって良いニュースで幕を開けた。2025年1月14日、キャサリン皇太子妃はインスタグラムに長いメッセージを投稿し、がんが寛解状態になったことを公表した。「今は寛解の状態にあり、ほっとしています。これからも回復に専念していきます」。治療中は公の場から身を引いていたが、段階的に公務に復帰することとなった。
2025年3月:チャールズ国王が一時入院
戴冠(たいかん)式から約9か月後の2024年2月、チャールズ国王は「がんの一種」に罹患していることを発表した。いくつかのスケジュールを延期した後、ヘンリー王子とウィリアム皇太子の父であるチャールズ国王は、回復の進捗状況について詳細を明かすことなく、数多くの公務を再開した。2025年3月、国王は数日間入院した。その原因は、治療による一時的な「副作用」だった。
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数か月後の9月3日、ミッドランド・メトロポリタン大学病院でがん患者と対面した際、体調について聞かれ、「まあまあですよ」と答えた。(12月12日、チャールズ国王は動画声明で、2026年は治療の頻度が軽減されることを明らかにした)
2025年4月23日:ルイ王子が7歳の誕生日を迎える
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キャサリン皇太子妃とウィリアム皇太子の末っ子であるルイ王子が、7歳の誕生日を迎えた。この記念すべき日に両親は、いつものようにやんちゃな少年の動画をSNSで公開した。
2025年5月2日:シャーロット王女が10歳の誕生日を迎える
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ルイ王子に続いて、シャーロット王女が10歳の誕生日を迎えた。キャサリン皇太子妃は彼女の好みの通り、自然の中でポーズをとる娘を自ら撮影し、この機会に公開した(英『BBC』によれば、2025年初めに英北西部のカンブリアを訪れた際にキャサリン皇太子妃がiPhoneで撮影したものとのこと)。
2025年7月8日:王室がマクロン仏大統領夫妻を迎える
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(仏大統領夫妻の公式訪問は)2008年にニコラ・サルコジ元仏大統領とその妻カーラ・ブルーニが訪れて以来、初めてのことだ。英国王室はフランス大統領夫妻を3日間の公式訪問で迎えた。プログラムには、ウィンザーでの滞在、ウェストミンスター寺院の訪問、ガラディナーが含まれていた。エマニュエル・マクロン大統領とブリジット・マクロン夫人は、エリザベス2世の墓を私的に参拝する時間も取ったという。
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2025年7月22日:ジョージ王子が12歳の誕生日を迎える
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ジョージ王子は2025年に12歳の誕生日を迎えた。この少年にとって重要な年だ。次の新学期(2026年9月以降)には中等教育に進むため、学校を変える必要があるからだ。両親は彼のためにどの学校を選んだのだろうか? 彼は居心地の良い家族のもとを離れ、寄宿学校で学業を続けることになるのだろうか?(進学先については父ウィリアム皇太子の母校であるイートン校が有力候補と英メディアで取り沙汰されているが、王室からの正式発表はまだない)その答えは2026年に明らかになるだろう。
2025年9月16日:王室がトランプ米大統領夫妻を迎える
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マクロン仏大統領夫妻に続き、今度はドナルド・トランプ大統領とメラニア・トランプ夫人が王室からの栄誉を受ける番だった。2019年に続き、2度目の国賓訪問となる今回は、ウィンザー城で160人以上の招待客を招いて行われた公式晩餐(ばんさん)会がクライマックスだった。チャールズ国王の家族を深く尊敬するドナルド・トランプ大統領は、これを「人生で最高の栄誉のひとつ」と評した。
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2025年10月30日:チャールズ国王が弟アンドリューの「王子」の称号を剥奪
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今後はアンドリュー・マウントバッテン・ウィンザーとなり、アンドリュー王子とは呼ばれない。性犯罪者ジェフリー・エプスタイン元被告のスキャンダルの渦中にあるエリザベス2世のお気に入りの息子、アンドリュー元王子は、ついに誕生時に授かった王子の称号を剥奪された(10月17日には自らヨーク公爵をはじめとする称号を返上していた)。これは、今後住む場所を失う彼にとって重大な決定だ。ロイヤル・ロッジで元妻サラ・ファーガソンと暮らしていたアンドリュー・マウントバッテン・ウィンザーは、民間の住居へ引っ越すよう命じられた。
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「彼は自身に対する疑惑を依然として否定しているが、これらの措置が必要であると判断された」と、バッキンガム宮殿が発表した声明は述べている。これは、2021年にヴァージニア・ジュフリー氏が、2001年に彼女がまだ未成年だったときに元王子に3回にわたって性的暴行を受けたとして、民事訴訟を起こしたことをほのめかしている。その後、2022年に和解が成立したが、このアメリカ人活動家は2025年4月25日に自死した(10月21日に回顧録が出版された)。
2025年11月:ウィリアム皇太子一家がフォレスト・ロッジへ引っ越す
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ウェールズ公とウェールズ公妃は、アデレード・コテージの住居を正式に離れ、ウィンザー・エステート(英国王室が所有する土地)にあるフォレスト・ロッジへ引っ越した。これを機に、キャサリン皇太子妃はこの邸宅を改装した。これは、ここ数年にわたって多くの試練を経験してきた一家が、新たな一歩を踏み出すための方法である。
2025年11月:ウィリアム皇太子がブラジルを訪問
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キャサリン皇太子妃がフォレスト・ロッジにとどまり、家族の引っ越しを見守る間、ウィリアム皇太子はリオデジャネイロへと旅立った。(現地での)数多くの視察・訪問が組み込まれたこの外遊は、11月5日の「アースショット賞」(ウィリアム皇太子が設立した地球環境賞)授賞式で締めくくられた。地元出身スーパーモデル、ジゼル・ブンチェンや米俳優マシュー・マコノヒー、豪出身歌手カイリー・ミノーグ、カナダ出身歌手ショーン・メンデスなどのゲストが出席した第5回となるこの式典では、ウィリアム皇太子によって、環境保護に関連する5つの革新的なプロジェクトが表彰された。これは彼が特に力を入れている活動だ。
2025年12月5日:キャサリン皇太子妃が恒例のクリスマスコンサートを開催
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キャサリン皇太子妃は5年前から、毎年「Together at Christmas」という大規模なコンサートを主催している。ウェストミンスター寺院で収録されるこのコンサートは、クリスマスイブの夜にテレビ(英民放「ITV」)で放映される。5回目を迎えた今回は、英俳優ケイト・ウィンスレットやキウェテル・イジョフォーらをゲストに迎えた。また彼女の愛する家族、両親のキャロルとマイケル・ミドルトン、弟のジェームズ・ミドルトンとその妻アリゼ・テヴネ、そして夫ウィリアム皇太子と3人の子どもたち、ジョージ王子、シャーロット王女、ルイ王子も彼女をサポートするために会場に駆けつけた。
※( )内編集部注
translation & adaptation: Akiko Eguchi
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