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失われた歯を補填するために、インプラント治療は広く普及しています。最悪、歯がなくなったとしてもインプラントという選択さえあれば問題ないといった声も聞かれます。しかしインプラントは、一度埋入すれば永久保証されている治療ではありません。せっかく高額な治療費を払ってインプラントを入れても、将来は入れ歯となる可能性があります。

◆インプラントは歯を失った時の砦

また、天然歯と大きな変化のない噛み心地や発音を回復でき、自分の歯と見分けがつかないほど自然な仕上がりです。
インプラントは骨に埋め込むことから、外れるわけがないというイメージを持ってしまいがちです。
しかし、歯周病によって歯を失っている人は、特にインプラント治療に潜む大きなリスクを忘れてはいけません。
◆インプラントは自分の歯よりも注意が必要

何年か前に入れたインプラントが揺れていると来院された患者さんがいました。レントゲン写真を撮ると、インプラントの周りが溶けて黒く写っています。

インプラント周囲炎とは、インプラントを支える歯茎や骨などの周囲の組織が炎症を起こす病気で、ひどくなるとせっかく埋入したインプラントが抜け落ちることもあります。その主な原因は、プラーク(歯垢)や歯石の蓄積、不十分なブラッシングなど、通常の天然歯の歯周病と変わりがありません。
残念ながら、このケースもインプラントを抜くという選択になりました。

