◆「中華マンション」の背後に中国人売春組織
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今回、筆者はこうした違法風俗の動向を把握するため、複数の売春あっせんサイトを調査した。これらのサイトは一般の検索では出てこず、SNS上のリンクなどを介してたどり着く“半クローズド型”のもので、開設者も運営拠点も明らかではない。だが、掲載されている情報量は膨大だ。北海道から沖縄まで、各地のマンションの一室で同様の営業形態が確認され、登録されている女性は総勢400人超。そして、その大半がタイ人女性で占められていた。
こうした形態の店舗は当然、摘発の対象となる。今年3月には、大阪府羽曳野市のマンションの一室を売春の場として提供したとして男が逮捕された。売り上げの一部が中国本土に送られていた可能性があり、大阪府警は中国人による売春組織が関与している疑いがあるとみているという。そのため、これらの違法風俗店は通称「中華マンション」と呼ばれている。
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◆タイ人の難民申請「前年比11倍」の衝撃
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タイの警察関係者は「不法就労あっせんブローカーが韓国から日本に主戦場を移したことも背景となっている」と語る。近年、韓国ではタイ人の不法就労者の取り締まりが強化され、日本に場を移す人が増えているのだ。
「良い仕事があると紹介され来日したものの、まったく稼げず売春しか選択肢がなくなるケースも。難民申請中なら日本に長期間滞在できるため、その間に稼げるだけ稼いでいるようです」(同警察関係者)
在京タイ大使館は今年10月、日本で難民申請や不法就労を持ちかける詐欺グループの存在について注意を呼びかけた。詐欺グループは「日本で難民申請をすれば合法的に働ける」など虚偽の情報を伝え、高額な手数料を要求したり、不法就労をあっせんしたりしているという。SNSでは、「1人15万バーツ(約70万円)を払えば、航空券の手配や難民認定申請の手続き、空港送迎などを一貫して請け負う」と投稿する業者の存在も確認できた。
タイ地元紙の報道によると、’22年から過去10年で、性的サービスを目的に年間1万~1万5000人のタイ人の女性・子どもが日本に送られており、日本は“最大の市場”だという。
タイ人が海外で不法就労をする根本原因には、タイの経済の脆弱さ、教育格差による貧困がある。だが、日本が買春という形で、弱者の搾取構造に加担しているのは紛れもない事実だ。現状を真摯に受け止め、買う側の処罰化や児童買春の厳罰化を早急に行っていくべきだろう。
取材・文・写真提供/泰 梨沙子
―[違法[出稼ぎ売春マンション]潜入!]―
【泰 梨沙子(はた・りさこ)】
共同通信グループ系メディアで記者を務める。’21年に独立。フリージャーナリストとしてタイ、ミャンマー、カンボジア、ラオスの人道問題について執筆

