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「もう食事は作りません」結婚5年目、子ナシ妻が、突然“家事”をすべて放棄したワケ

「もう食事は作りません」結婚5年目、子ナシ妻が、突然“家事”をすべて放棄したワケ

今週のテーマは「妻が突然。妻業をボイコットした理由は?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:「何が不満だった?」結婚5年目、突然家を出た妻。夫が気づけなかった“異変”とは



夫という生き物は、妻をイラつかせるように初期設定されているのだろうか。もしくは、大切なことをメモリーから平然と抜かしてしまう生き物なのだろうか。

「もういいや」

そう思い、私はポストイットに夫に対するメッセージを書いた。

『しばらく実家に帰ります。若菜』

家を出て、玄関の扉を閉めながら考えた。

— でも、きっと彼は変わらないから、どこかで私が諦めなければいけないのかな。

完璧な夫婦なんていないことはわかっている。

でも世の中の女性陣…特に働きながら家事や妻業を完璧にこなすスーパーウーマンも一定数いる。

私にはその素質がないのだろう。そう思うからこそ落ち込むし、今後どこまで私がすべきなのか、夫婦の家事の分業について、とても悩んでいる。


A1:まとめたゴミを捨てるだけなら、ゴミ捨てと言わない


夫の龍太とは、7年前に食事会で出会った。

意気投合しすぐに交際へ発展し、付き合って2年目で籍を入れた。

2020年、時代はコロナ禍真っ只中。ステイホームが世の中で叫ばれる頃、私たちはおうち時間を工夫しながら、楽しく過ごしていた。

結婚を機に学芸大の方へと引っ越したのだけれど、同じタイミングで私の会社はそれを機に完全リモートがOKになり、私はほぼ家にいることになった。

だから最初は、私がほぼすべての家事を担っていた。



「いいなぁ、1日中家にいれて」
「寒い冬とかは、ありがたいよね〜。もう出社スタイルに戻れないかも」

そう話していたくらい、私は家が好きだったし、外へ出ている龍太より家時間が長い私が掃除や料理など、家事をするのは当然だと思った。

だから決して、嫌々やっていたわけではない。

「若菜、本当にありがとう。何かできることがあったら言ってね」
「うん。まぁ今の間は時間があるから。子どもとかができたら変わると思うから、その時は宜しくね」
「もちろん!そこは任せてください」

龍太はちゃんとお礼を言ってくれるし、まとめたゴミ袋をゴミ捨て場へ持って行ったり、買い物へついてきてくれて重い物を持ってくれたり…。

彼なりに、頑張って手伝ってくれていた。

しかし状況が変わったのは、去年のことだった。

私の会社が、フル出社が必須になったのだ。



「転職しようかな…」

そう考えるくらい、私にとっては大きな出来事だった。世の中はもう完全出社のところも多いかもしれないけれど、“フルリモートOK”なのが、今の職場の最大の魅力だったと言っても過言ではない。

それなのに、週5で出勤なんて…。

一応龍太にも相談してみたけれど、曖昧な感じの返事しか返ってこなかったので、一旦私は心を入れ替えてフル出社を頑張ることにした。

しかしここから、私たち夫婦の時間の使い方、過ごし方がガラリと変わった。今まで私が家にいたから良かったものの、そんな悠長なことは言っていられない。

洗濯もこまめにできないし、夜ご飯は必然的にデリバリーが増えていく。

でも、そこだけが問題なのではない。私は龍太のある言動に、心底嫌気がさしていた。


A2:“ホウレンソウ”ができないことに、愛想を尽かした


龍太は私が家事をしないことに対して、怒ったり何か言ったりするわけでもない。

「龍太くん、ごめんね」
「何で謝るの。若菜だって仕事頑張っているんだし。それに食事は、デリバリーで全然いいじゃん」
「そう言ってくれると助かる」

ただ、そこで私は違和感が生まれる。

― ん?そこは手伝うとか、自分もできる限りのことをするとか…ないの?

でも龍太は、朝早いし、会食も多いし夜も遅い。私が先に寝た日は、顔を合わせないまま1日が終わることもあった。

でもそれでも良かった。

ただ、そんななかでも自分なりに頑張って、龍太の会食がない日くらいは、せめてご飯だけは作ろうとした。しかし龍太は、私の気持ちを知ってか知らずか、何度か“食事のドタキャン”があった。



「ただいまぁ」

この日は、久しぶりに龍太が家でご飯を食べられる日だと言っていた。

だから仕事が遅くなってしまったけれど、帰りにスーパーへ寄り、張り切って彼のためにご飯を用意していた。

メニューは、彼の好きなもので揃えた。

しかし、そんな思いを彼はあっさりと打ち砕いた。

「あ、龍太くんお帰り。遅かったね。私もさっき帰ってきて急いで用意したから、ちょうど良かった。夜ご飯、食べるでしょ?」
「ごめん、今日は外で食べてきちゃって…」
「え〜また?先週末、今日はお家で食べるって龍太くん、言ってたじゃない」
「ごめん、すっかり忘れてた」
「もう。せっかく作ったのに…」

せめて朝に言うとか、前日に言うとか。たった一通のLINEを、どうして送れないのだろうか。

もし龍太がご飯を食べないなら、自分用にはもっと適当で良かったし、仕事終わりで疲れているなか、スーパーから重い荷物を下げて15分歩いて帰ったりしない。

それに、油はねを気にしながら料理もしなかった。

「しかもこれで何度目?」

さらに、これが初めてではなかった。もう何度言っても直らない龍太。

彼はレストランのドタキャンはしないのに、家ご飯に関して、どうしてこんなに軽視できるのだろう。

「でも龍太くん、作り置きは食べないもんね」

さらに面倒なのが、彼は“作りたて”しか食べないことだった。

「うん、そうだね」
「わかった、龍太くんの分は私が冷凍して明日以降で食べるから。ただせめて、ご飯を食べるのか、食べないのかの連絡くらいはして欲しいってこの前も言ったよね?」
「そう言われてもなぁ。事前に予定がある時はちゃんと伝えるようにするけど」

自分の努力がまったく報われず…むしろ空回りをしているような気がして、虚しくなっていく。



ただこの逆もあり、彼が突然帰ってくることもあった。

「ただいまぁ…お腹空いた〜」
「龍太くん、こんな直前に連絡もらっても、今日は帰りにスーパー寄ってないし、食材も何もないからご飯作れないよ?うどんとか、冷凍の鮭とかならあるけど…」
「気にしないで。適当にデリバリー頼むから。せっかくだし、最近食べられていなかった餃子とか頼んじゃおうかな」

そう言うと、目を輝かせながら嬉しそうにデリバリーアプリを開いた龍太。

「龍太くん、楽しそうだね」
「うん。たまに取るデリバリーって楽しくない?若菜も、何かいる?」

この姿を見て、愕然としてしまった。

― 私のご飯より、デリバリーの方が嬉しいんだ…。

そこで、私は決意した。

「もう、彼にご飯を作るのはやめよう」

無駄に期待をするから、失望するだけ。そしてご飯に関しては、作ったのに食べてもらえないほど悲しいことはない。頑張って作った料理より、デリバリーが好きなら勝手にすればいい。

そう思うと急にすべてが馬鹿らしくなってきて、私はふと家事をするのをやめてみた。

すると、急にすーーっと楽になった。

「あのさ、若菜。それって夫婦の役割放棄してない?」

もちろん、龍太は文句を言ってきた。

しかし冷静に考えて欲しい。お互い共働きで、私たちにはまだ子どももいない。掃除、洗濯、料理に細かい買い出しに、ゴミ捨てまで…これはバランスがおかしいし、料理を作っても食べない人に、提供する料理はない。

「夫婦の役割って、なに?お互い、そこは平等でしょ」

龍太には、申し訳ないという気持ちもある。他の人なら、もっとうまくやれるのかもしれない。

でも私は家事と仕事を両方器用にこなせるほどのバランスは持ち合わせていない。

もうしばらくしたら家事をアウトソーシングしつつ、私たち二人の最適解を見つけていきたいと思っているけれど、「その家事代行費は誰が出すのか」などでまた揉めそうだなと思っている。


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配信元: 東京カレンダー

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