クリスマスが近づくにつれて食べたくなるのが、ドイツの伝統菓子「シュトーレン」。そんなシュトーレンに“幻”のりんごをふんだんに使い、ピンクの粉糖、リンゴ農家の「宮下果樹園」と東京・保谷の人気ベーカリー「JOURS」がコラボしてできあがったピンク色の「キルトピンクシュトーレン」。幻のりんごとは一体何なのか、ピンクのシュトーレンとはどんなものなのか。謎に包まれたシュトーレンを取材してきました!
100年以上の歴史のあるりんご農家と、地元に愛される、30年以上続くベーカリーがタッグを組んだシュトーレン

東京・西東京市にある保谷駅からバスで5分の場所にあるベーカリー「JOURS」。30年以上続き、地域に根付くこちらのベーカリーで制作をされているのが、今回のメイン「キルトピンクシュトーレン」です。

中に入るとりんごの甘酸っぱい香りとスパイスの香りが厨房に広がり、一瞬でクリスマスのムードに包まれます。
“幻”と呼ばれるりんご「キルトピンク」とは
幻のりんごと呼ばれるのは「キルトピンク」というりんごの品種。2024年9月に品種登録された、まだ新しいりんごです。現在、日本でも2000種類以上の品種があるりんご。その中でもキルトピンクは長野県でしか栽培が許可されておらず、作られる数も少ないことから市場にあまり出回ることがなく、幻と呼ばれているのだそう。

このキルトピンク、外観の黒みがかった濃い赤色の皮が印象的ですが、驚くのはここから。切ってみると、中までしっかりピンク色に染まっているんです! 名前の由来はこの断面の「切るとピンク」からきているんだとか。

そんなキルトピンクを作っているのが、長野県でりんご栽培を100年以上続けている「宮下果樹園」。5代目である宮下直也さんにキルトピンクの特徴をお伺いしました。

「トロピカルな酸味がキルトピンクの特徴です。加熱しても消えずに残るので、パンチ力があってとてもおいしいんです。」
宮下さんが生きてきた中で一番おいしいりんごだとおっしゃるキルトピンク。それならこのりんごを入れたシュトーレンを作ろう、と以前からお知り合いだったJOURS店主、加藤太一さんと一緒に、シュトーレンの開発に至ったそうです。