アルファードなどの高級車に年収が低くても残クレを使えば手が届く……そんなメリットがありつつも、残クレの利用者が増えている背景はそれだけではありません。いま、車両価格が右肩上がりになっていることに加え、ディーラー側には裏事情があるそうで……。今回は現役ディーラー営業マンから聞いたその実態をお伝えします。
◆営業マンの「成績」に直結する

今はその事情が変わっているようで、台あたりのインセンティブが数千円と下げられているようです。その代わりに付帯商品の「残クレ」や「個人リース」の契約件数に応じたインセンティブが上乗せされている様子。
「販売台数が半分でも、全て残クレやリースで販売している営業マンの方が給料が高くなるんです」
こうして多くの営業マンが顧客に対して残クレやリースなどをアプローチしているとのことでした。
◆「残クレで売らない営業マン」には人権がない!?
さらに興味深い話が、残クレなどの販売率が低い営業マンは出世にも関わってくるということでした。筆者が勤めていた頃は台数至上主義だったので「契約数が少ない営業マン=ダメ営業マン」というレッテルが貼られていました。しかし今は、「残クレやリースの利用率の少ない営業マン=ダメ営業マン」ということになるそうです。
確かに残クレやリースは、提携しているクレジット会社からディーラーに支払われる手数料収入があるため、“会社への貢献度”という視点では優遇されるのは理解できますが、極端にさえ感じます。
今回話を聞いたディーラーでは、個人リース利用が少ない営業マンを「特別な研修へ招待」しているとのこと。いわゆる“吊し上げ”の研修を行うことで「現金販売をさせないマシンづくり」をしているようにも思えました。
余談ですが、筆者が勤務していた時代は「電気自動車の販売台数が少ない営業マンは吊し上げ研修に参加」という罰ゲームがあったことを思い出しました。

