5. 履歴書・職務経歴書・面接別の注意点
自己PRは、履歴書や職務経歴書、面接などのシーンによって、注意すべきポイントが異なります。
履歴書
記入欄の8割以上を埋めるようにしましょう。短すぎる自己PRはマイナスな印象を与えてしまいます。伝えたい内容を書ききれない場合は、詳細なエピソードや応募先で貢献できることは省略し、面接や職務経歴書で補足しても構いません。
職務経歴書
職務経歴書には履歴書のように決められた記入欄や文字数の制約はありません。ただし、長すぎてまとまりのない文章にならないよう、自己PR一つにつき150〜300字程度を目安にまとめ、2〜3つ記載すると良いでしょう。
面接
面接の場合は「自己PRをお願いします」という直接的な質問のほか、「あなたの強みを教えてください」「あなたの長所は何ですか」などの聞かれ方をされる場合もあります。いずれも結論から述べ、続いてエピソード、貢献できること(志望動機)で締めくくります。回答時間は1分以内を目安にまとめましょう。
6.よくある自己PRのNG例と改善ポイント
(1)抽象的な内容
抽象的すぎる自己PRは、応募者の強みや人柄が伝わりません。 採用担当者が「どんな場面でどう行動したのか」をイメージできるよう、具体性を持たせることが重要です。
NG例
私はコミュニケーション能力に自信があります。これからも周囲と協力して頑張っていきたいです。
改善ポイント
- どんな場面で・どのように能力を発揮したかを具体的に書く
- エピソードを添えることで、長所にリアリティーが出る
改善例
医療事務として受付業務を担当し、来院される患者さまとの丁寧な対応を心がけてきました。とくに、初診の患者さまには積極的に声かけをおこない、安心して受診いただける環境づくりに努めています。
(2)エピソードが浅い
強みの根拠となるエピソードに具体性がないと、説得力に欠けてしまいます。ちょっとした工夫でエピソードに厚みが出ます。
NG例
私は協調性があります。普段からチームワークを大事にしています。
改善ポイント
- 小さな成功体験でも具体的に書く
- 「どんな取り組みをしたか」「結果としてどうなったか」を意識する
改善例
現職では、スタッフ間の連携を強化するため、日報に情報共有欄を設ける提案をしました。これにより業務引き継ぎがスムーズになり、ミスや伝達漏れが大幅に減少しました。
(3)求められる人物像とズレている
応募先がチームワークを重視している場合は、連携力や協調性が評価されやすくなります。そんな職場に対して、以下のような自己PRはミスマッチと受け取られる可能性があります。
NG例
私は一人で物事を進めるのが得意です。なるべく人に頼らず自分で完結させることを心がけています。
改善ポイント
- 応募先の求める人物像に合わせて強みの見せ方を工夫する
改善例
患者さまにより良い医療サービスを提供するために、医師や看護師、他部署と密に連携を取りながら業務を進めてきました。今後もチームの一員として、周囲と協力しながら貢献していきたいと考えています。

